ワルイコをアイしよう 捌

＠３９８ ページ49

あっという間に1週間が経った。




仕事をしている間に鹿島のCS準決勝は終わってたし。




無事勝って次は浦和とホームで試合だけど、これも行けない。




あーーーー、なんてソファで無駄に声を出す私を見て、広臣が笑った。




「でもアウェーで優勝かどうか決まるんでしょ？」



「そうだけど久々にカシスタ行きたいし。」




あぁね、と鼻で笑った広臣は今、ソウルと戯れてる。




「てか鹿島のことより明日の撮影でしょ。」




Aは最後の殺人シーンの撮影だろうけど俺は初めて見るんだからと広臣は言った。




別にどうってことないでしょう？




「Aのナイフ舐めてる姿見れるとは思ってなかったわ。」



「別に普通じゃない 笑」



「いやいやいや、そんな事なかなかしねぇって 笑」




なー、とソウルを見つめて首を傾げた広臣。




なんか可愛かったり。




「まぁでも所詮ニセモノのナイフだし。」




本物のよりは見劣りするよね、なんて。




「Aが怪我しないようにしてんだから 笑」




殺し屋差し向けられた時だって、全部偽物だったから怪我しなかったんじゃん、と頭を撫でられた。




「そういえばあの騒動自然消滅したね。」



「あぁ、そういやそうだな。」




今更だけど大丈夫なのかな？なんて言い合って。




まぁもう2ヶ月前だしいいか、なんて。




全く危機感のない私達。




スルリとソウルが広臣の手から逃げてって、リビングから消えてった。




あー……なんて残念そうな彼は、今度は私の膝枕で寝転んだ。




「あー、めっちゃいい眺め。」




俺らに子供出来たら子供はこっからAのこと見れるんだな、と広臣が羨ましそう。




「じゃあパパになっても甘えたら？笑」



「待って、Aは子供が産まれたら
名前で呼んでくれなくなるわけ？」



「どっちがいいの？笑」



「え、名前で呼んでよ。」



「えー、仕方ないなぁ。」




相変わらず我儘、なんて広臣の髪をいじって。




久々ののんびりとした2人の夜。









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