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ゆっくり歩いたけれど
あっという間に部屋についた。
私よりも先にカードキーを出し扉を開けた広臣に
さっと腕を引かれた。
カードキーを差し明かりを点けたと思えば
いつの間にか視界いっぱいに広がる彼の顔。
廊下でされたキスとは違って
今度は深くて甘いキス。
「……やっぱ我慢しねーとな……」
唇を離したと思えばそう呟く彼。
「一緒に寝るんで我慢するわ。」
私にそう言った後、彼は扉についていた手を離した。
「シャワー浴びるわ。」
「えぇ、どうぞ。」
「なんか着れるもんねぇ?」
「あー、部屋に置いてあるコレなら。」
「えー……でもまぁそうなるよな 笑」
「広斗に持ってこさせるから浴びてて。」
「さんきゅ。」
ポン、と頭に手を置いた彼は
再び触れるだけのキスをして行った。
まず広斗にLINEをすると、
すぐに持ってくと返ってきた。
広斗は本当にすぐ来た。
「あれ、Aあのスマホ……」
「ん?広臣のじゃ……ってえ、
もう一つの何?誰の?今市?」
「いやいやいや 笑
なんで2人ともココに忘れてんの 笑」
広斗が私の頭に肘をついたまま笑う。
その時その向こう側から今市の声が聞こえた。
「お熱いこって。」
「別にそんなんじゃねーし 笑」
「俺のスマホある?」
「あー、あるよ。俺取ってくる。」
って、2人にしないでよ、広斗。
「……シャワー浴びてんの誰。」
「教えるわけないじゃない。」
軽く睨み合ってると広斗が戻ってきて
ホレ、とスマホを今市に渡すとさっさと帰した。
広斗が着替えを置かないまま彼はシャワーを浴び終え、ちょっと着替えまだー?なんて叫んだ。
「あ、Aこれヨロシク。」
「え、ちょ広斗?!」
「Aおやすみー!」
走って去って行った後ろ姿を呆然と見つめてると
おい!なんて叫び声が再び。
「はいはい、分かりましたよー……」
仕方ないなぁ、もう。
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作者名:PiG Bone | 作成日時:2017年10月24日 20時