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空いてるスタジオに入り、
デッキの中を見ると、三代目の曲が入っていた。
「……いっか、」
そう思い、音楽をかけ始めると
それはデビュー当時の曲から最近の曲まで様々。
元々の振り付けにアレンジを加えたり、
流れた曲が2回目の時は
完全オリジナルで踊ったりしていると、
広臣から連絡がきた。
広臣2人とも帰ったぞ。
私はそれに既読をつけるだけして、
その場を去りジムへ向かった。
ジムへ入ると、ソコにはトレーナーさんと広臣だけ。
とりあえずお互いに不機嫌な顔をし、
会話なくトレーニングを再開した。
「ゴメン臣くん、俺用事あるから帰んないと。
2人だけになっちゃうけど大丈夫?」
「あぁ、大丈夫っす。お疲れ様です。」
「お疲れ、バイバイ。」
「さようなら。」
彼とトレーナーはそう会話を終え、
トレーナーはジムを去った。
そして、2人きりになった室内。
会話を盗聴するモノも、何もない。
防犯カメラがあるだけ。
「……帰んないの。」
私がそう問うと、そっちこそ、という声。
一応、お互いに冷たい声。お互いを挑発するような声。
「まだトレーニングが終わってないから。」
「俺だって同じだし。」
「……どいてくれる、今から使うから。」
「は、あっち使えばいいじゃん。」
「知らないの、アレ壊れてるのよ。」
「は?んなワケ……」
そう言いながら、彼は別のスピナーに近づいた。
「……マジだ、他は?」
「隣で漕ぎたくない、
コッチは汗がついてる。」
「あーもう!んだよ……
俺がコッチ使うからお前コレ使え。」
「あら、ありがとう。」
仕方なく使っていたスピナーを私に譲る彼。
あっちは彼以外の誰かの汗でコッチは彼の汗で。
……そりゃあ、二択になったら彼の方を選ぶ。
「……可愛いヤツ、」
少しだけにやけながら、彼が呟いた。
「……キモ、」
「は、俺が?」
「当たり前でしょ。」
「もう構ってやんね。」
そう言い、彼は分かりにくく拗ねる。
勝手にしてなさいよ、私は構ってだなんて一言も言ってないから。
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作者名:PiG Bone | 作成日時:2017年10月24日 20時