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@114 ページ15

その日私がトレーニングをしていると
勢いよく扉が開いた。





「テメェっ、カレンに何したんだよっ!」





鬼のような顔をした今市と岩田。





あら、岩田今日は撮影ないのね。





「あら、何もしてないわよ?笑」




「嘘つくなよ、アイツのコト殺したのテメェだろ?!」




「あらあら激高しちゃって。彼女は本当にジサツしたのよ。」





私がそう言った瞬間に、再びジムの扉が開いた。





「どうしたんだよ、隆二も岩ちゃんも鬼みたいな顔して。」




「臣聞いてねぇの?カレンが……」




「あぁ、ジサツした話なら知ってる。
広斗くんから聞いた。……目の前で飛び降りたらしいし、」





そう、暗い落ち込んだような声を出した彼。





「……マジかよ、」




「臣は……カレンがこんな奴のせいでジサツして
悔しくないのかよ、」





今市がそう俯いた言った。





「悔しいに決まってんじゃねぇかよ。
結局俺ら、アイツのコト守れて無かったんだ。」




「臣さん……」




「結局俺らは、いつも何かを失うんだ。」





静かに……彼がそう言った。





その言葉にふと寒気を感じた。





よく分からない、嫌な感じ。





私が現実に引き戻されたのは、胸ぐらが掴まれたから。





目の前には、今市の、怒りに暮れた表情。





「俺らから大切な奴ら奪ってそんな楽しいのかよ!」




「……邪魔なだけよ、」





そう、邪魔だから消すの。





「ウザいから、邪魔だから、目障りだから。
こんな理由で消しちゃ、いけないのかしら。」





本音だった。





今市から視線を外すと、彼の寂しげな表情が視界に入る。





そっと、今市の手を払い私はその場から逃げた。





彼のあの寂しげな表情が脳裏をよぎる。





止めて、そんな顔しないで。





もう、あんなコトしないからそんな顔しないで。









.

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作者名:PiG Bone | 作成日時:2017年10月24日 20時

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