半間さん、離して下さい。【東リベ】 (ページ7)

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七匹目　懺悔の時間ページ7

Aside

「お腹空いた。」

『ファミレス寄る？走らせちゃったし、最近の話聞きたいからおごるよ。』

「…マイキー」

「パフェだけ！」

ファミレスのなかにすぐ入る。

この人、背が高いけど中学生なのかな。

背が高いけど、半間さんよりは低いな。

考えながらも店に入る。

『3人で。』

「こちらの席へどうぞ。」

席に座って、各々好きなものを注文する。

私はアイスティーと抹茶パフェ。

マイキーはドリンクバーとチョコパフェ。

ドラケン？君はレモンティー。

『で、最近の東卍はどう？』

全員の注文したものが来てから話を振る。

マイキーは少し重い口調で切り出した。

「パーが、捕まった。」

『…なんで？』

「パーのダチが酷い目に合って、メビウスと抗争が起きた。
そこで長内を刺した。」

少しふてくされたような言い方。

多分、反対だったんだろう。パーちんが捕まるのに、本気で抵抗しようとした。

ドラケン君は黙ったままだった。

『そう。…他に、何かあった？』

「……場地が、……しん、だ…ｯ、」

聞かれたくないだろう。言いにくいだろう。

それでも理由を聞く。

『どうして？』

「…一虎が場地を刺した。でも、一虎が殺したことにならないように、ｯ
自分で、また刺して、……」

『そう。』

そのとき、ドラケン君が痺れを切らした。

「なんの意味があんだ？なあ。人の傷えぐって楽しいか？」

『まぁまぁ、落ち着いて。争いたくないよ、私。』

痛いことは嫌い。

だけどマイキーに背負わせるわけにはいかない。

『…マイキー。嫌な感じする？』

「収まった。」

この前、聞いてしまった。

場地が死んだことを。

近所のおばさんが話してた。

そろそろ限界かもしれない。そう思った。

彼のなかには、闇よりも暗い衝動がある。

一度だけそう話していたのは真一郎君だった。

「”アイツは優しいから、支えがないと折れるんだ。
だから、俺や幼なじみの場地がいなくなったときは、お前がそばにいてやって。”」

私は私の役目を果たすだけ。

マイキーの前では強いお姉さんを演じなければ。

「…マイキー…、」

「ケンチン、Aはいい人だよ。」

マイキーが言う。

「…龍宮寺堅だ。ドラケンって呼ばれてる。」

『戸崎A。争い事は嫌いだよ。』

多分この人は世話を焼かせられる人だ。

この人も壊れないように、見守ろう。

頭の中に、あの事件がちらついた。