検索窓
今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:2,088 hit

一匹目 ねこちゃんと怪我人 ページ1

Aside


『…おさけ、すいみんやく、ろーぷ。
…よし、逝ける。』

「みゃーお。」

『…え、?』


毎日が辛かった。

死のうと思ったとき、この子が止めてくれた。

だから、嫌なことがあったらいつもこの子の所に行く。



今日はトイレに閉じ込められた。



ねこちゃんの所にいこう。

陰口は無視して、回り道をしてねこちゃんのいるところに向かう。


『…(いた、)』


ごみ捨て場の影にねこちゃんはいる。

小走りで行くと、ポリバケツのそばに、


『ひ、(血だらけ。鉄臭い。)』


壁にもたれ掛かる人間。

ねこちゃんと遊んでるようにみえる。

けど、ねこちゃんに噛まれて、


「いてぇな…」


イライラしてるみたいだ。

まずい。ヤンキーってねこちゃんいじめるのかな。


そんなことを考えてたら、体が先に動いてた。


『…ね、ねこちゃんいじめないで、!』

「…あ?」


右手でねこちゃんを掬い上げる。

フルフルと震えるねこちゃん。怪我はないかな。

けど、目の前の人が怖すぎる。


「なんだ、お前。」


初めてちゃんと顔を上げた彼は、


『っ、だか、…ら…』


頬に痛々しい切り傷が刻まれていた。


「ってぇな、この傷、」

『っま、まって、擦っちゃダメ。』


滴る血を手の甲で擦ろうとする彼の手を咄嗟に握る。

手が冷たい。多分これまでに出血が多かったんだろう。

まずい。


「だりぃなぁ…お前がこの血止めてくれんのかよ。」

『止めます!!!!なんなら治すし傷も残らせません!!!!』


怖すぎる。

なんというか、ドスがすごい。


『ちょっと待ってて。』


ねこちゃんをおいて走って路地裏から飛び出す。

薬局はすぐそこ。左に2ブロック。


「いらっしゃいませ。」

『あの、あの、えっと、消毒液と包帯とピンセット、と、ガーゼ、ありますか?』


店員さんは少々お待ちくださいと言って、全部持ってきてくれた。

会計を済ませて戻る。

名も知らぬ彼は、ちゃんと待っていた。


『痛いと思うけど、我慢、してくれますか。』

「傷、治るっつったよな?」

『ひぇあ、はい!』

「ならいい。」


後戻りは出来ない。

テグスはある。麻酔瓶も、注射も部屋からくすねてきた。

外科結びも出来るようになった。

ないのは医師免許だけ。


『ッ行きます。顔、しかめたりしないで。』



誰かに見られたら、罪を問われるのは私だけ。

あのときみたいに、相手は罪に問われない。

二匹目 かたちはあるけど、→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
24人がお気に入り
設定タグ:半間修二 , 溺愛 , 東京リベンジャーズ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- 面白いよ! (7月9日 16時) (レス) @page7 id: 711e38ef56 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:さつお_アイコンは旧都なぎ様_ | 作成日時:2021年9月10日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。