これは愛で、恋じゃない。２ (ページ37)

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◎ ページ37

side：黒

佐久間くんを探して

ふらふらと歩いてきた舘さんは、
俺の姿を見つけ目を見開いた。

赤く染まった頬、うるんだ瞳。
そして、甘い香り。

ヒートが来てるって嫌でもわかる。

会うのが久々すぎて、
申し訳なさと気まずさから目を逸らしてしまった…。

何かに気づいて佐久間くんが舘さんを
ソファに座らせる。

恐る恐る顔を上げると…。

泣きそうな顔で佐久間くんにしがみつく舘さん。

ぎゅっ…って心臓が痛くなった。

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…この痛みは、佐久間くんに対する嫉妬？

それとも、舘さんの泣きそうな顔のせい？

わからない。でも確かに何かが苦しかった。

ヒート特有の甘い匂いが、
俺を包んでくらくらさせる。

心臓の奥深くが真っ黒に染ってく感覚。

…嫌だ。舘さんをこれ以上傷つけたくないのに。

赤｢…ったんだよ、めぐ、ろ。｣

黒｢…へ？｣

掠れてて上手く聞き取れなくて、
間抜けな声が出てしまった。

それに舘さんはふわっと笑った。