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5. 時が過ぎ ページ5

がちゃり、と音を立てて開くドア。

その先にはいつもの風景が広がっていた。


あの時が小学4年だから、あれから6年。

僕も立派な高校1年である。

僕、田崎AはΩを隠し、βとして生きている。

勿論、今でも薬は常備している。

変わらず周りは皆βやαでいっぱい。

人一倍努力しエリート校を突っ切った僕は

何不自由ない生活を……いや、あるけど。

暗くて喋らない僕には友達が居ない。

薬を飲むところは見られていないが、勝手にΩだと言われている。

正解だけど。




僕には幼馴染みがいた。

背が高くて人気者で

カッコよくて凄くモテて

こんな僕にも笑顔で接してくれた。

勿論、α。

完全に信じていた僕は

その子……濱明 亮にΩだと打ち明けた

その瞬間


「一生許さねぇ」

そう言って去っていったのだ。

その後、両親の都合で遠くに引っ越してしまい、何も話さず仲は戻らないまま彼は行ってしまった。



「……。」

何とか仲直りがしたい。

全てはこのΩのせい。

僕の、せい。




HRが始まる時、先生は明るい声で言い放った。

「皆喜べ!転入生を紹介するぞ」

ざわざわと騒ぎ始める教室のドアが

ゆっくり、開いた。





「濱明 亮です。よろしく」

大人のように微笑みかけた彼の顔。

間違い無い。彼だ。

あの時の……。

驚きが大きく、目が点になる。

「はい静かに。これから宜しくな!

濱明の席は……清斗、お前の後ろだな」

「おっしゃー!宜しく!」

ハイテンションで喜ぶ彼は松原 清斗。

この学校で一番のイタズラ好きだが頭は普通に良く、友達が多い人気者。

ちなみに彼はβ。


「なあ亮!お前αだろ?」

「え、何で分かったんだ?」

「俺の嗅覚をなめんじゃねぇよ」

ニカッと笑って亮の肩を叩く。

やはりフレンドリーは違うな。



僕もこうしてる暇は無い。

話し掛けないと何も始まらない……。

先生の話を聞き流しながら眉間に皺を寄せた。

6. 仲良く→←4. 現実



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設定タグ:BL , オリジナル , オメガバース   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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- komeさん» この作品に対してそのような感情たちを向けられたこと、とても誇りに思います。とてもとても嬉しいお言葉ありがとうございます。 (6月12日 15時) (レス) id: b145d6d25c (このIDを非表示/違反報告)
kome(プロフ) - とても面白い作品に出会えて嬉しく思うと共にもう終わってしまったのかと喪失感もあります。本当にお疲れ様でした。 (6月12日 13時) (レス) @page50 id: 4c2006e05c (このIDを非表示/違反報告)
おパンツドラゴン - え?何やってるんだろ.....頭おかしくなったんかな(((自分に言ってます (2020年6月20日 20時) (レス) id: 981305fe40 (このIDを非表示/違反報告)
おパンツドラゴン - https://images.app.goo.gl/B3CiPe8WwDTRdNTL8 (2020年5月30日 18時) (レス) id: 981305fe40 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 不知火 綏狐さん» ありがとうございます!お互い頑張りましょうね! (2018年11月11日 23時) (レス) id: a87c411005 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年10月16日 20時

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