助けて ☆ ページ9
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名前はセンラ様の彼女の名前として進みます。
「まーしぃ、今日ありがと。」
「大丈夫やってこれくらい。」
坂田の相談に乗るため居酒屋で飲んできた帰り。
ピピピー、ピピピー…
スマホから突然聞き慣れない音が鳴った。
紫姫につけているCollarのスイッチを押すと鳴る音。これは…紫姫からの助けての合図？
紫姫が危ない…！
「紫姫！」
紫姫のことを守るように覆い被さるAは、意識を完全に失っていた。
「ど、しよ、Aが、しんじゃう…。わたしのせい、A…」
「まーしぃ、このままやとAちゃん危ないで。場合によっては本当に死んでまう。」
Aを坂田に任せ、紫姫を腕の中にとじこめる。まずは自分のClaimのAfter careが先だ。
Aは重症だが、紫姫も相当傷ついている。
Aには坂田が着いているから大丈夫だろう。
「紫姫、俺の声聞いて？」
「しまくん、わたし、悪い子なの」
「どうして？」
「Aが、倒れちゃったから、わたしが弱いせいだから、」
街頭に照らされた道に喘鳴と細い声が響く。
Aを第一に心配することから、紫姫にとってAがどれ程大切か分かる。
「紫姫、紫姫は悪い子じゃない。俺にちゃんと危険だってこと教えてくれたやろ？
紫姫は俺のSubで、良い子のSubやで。」
「ちがう、ちがうぅ…」
本来、care中にDomの言うことを聞かなかった場合、Subにお仕置きをしなければいけない。だが今回は別だ。
とにかく紫姫を落ち着かせることが最優先。
そうでなければ、紫姫まで完全にSub dropしてしまう。
「紫姫俺の顔見て。」
ぐい、と紫姫の顔を上げて無理矢理視線を合わせると涙の雫を流す紫姫がいた。
「紫姫は、悪い子やない。」
「ほんと…？」
「おん。毎日頑張ってる。
俺が帰ってきたら、玄関まで来てお出迎えしてくれるし、料理も洗濯も俺と交代で毎日欠かさずやってる。
なのに、歌い手活動も頑張れてる。
こんないい子、俺のSub以外居らんよ。」
「志麻くん…。」
「Good girl、紫姫。」
Sub spaceに入ったのか俺に全体重をかける紫姫。遠くでサイレンの音が聞こえてくる。
「まーしぃ、Aちゃんの脈がだんだん弱くなってきてるから、救急車呼んだで。」
「ありがとう。一応センラに連絡…」
「頼むわ。」
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作者名：朧月 天音 | 作成日時：2021年8月23日 18時
