愛しているから【短編集】 (ページ23)

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「で？坂田、Aに会いに行きたがらないのはどうしてだよ？」

坂田に問いかけると「まずい」と言いたげな顔をした。

「喧嘩した…」
「から、合わせる顔がないって？」

目を逸らした坂田に図星か、とため息をついた。

信用しているDomじゃないと、Subはplayを受け入れない。Sub dropして最悪死ぬ。

「寂しがりで、褒められたがりのAが今一番求めていることはなんだと思う？なぁ坂田。」

Subが求めるもの、それはたった一つだけ。

大好きな、世界中探してもたった1人しかいない、Domからの愛情。

「…！」

真っ暗、何も見えない。

「さかた、どこ…？」

私、すぐ謝ろうって思ったの。だからリハーサルもすぐ終わらせた。だけど、帰り道に知らないDomが現れて…。

Collar取られちゃって、それから…記憶がない。
涙がぼろぼろと流れた。

「ごめんなさい、ごめんなさい、だから私を捨てないで…、もうひとりにしないで。」

だめだめな Subだから、さかたも愛想尽かしちゃったの？

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」

行かないで。お願い。

_______、A…___

「…だれか呼んでる…？」

私、考えたことがあるの。
私のことを守ってくれる人がいる、けど。その人は誰に守ってもらうんだろうって。

「さかたは、誰に守ってもらうの…？」

_____A、おいで_____

私も、力になりたい。
ケンカしちゃったけど、きっと謝れば考えてくれるはず。

「いま、いくよ」

私は光の方へ手を伸ばした。