愛しているから【短編集】 (ページ20)

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何故こんなことになったんだ。

「Aさんは…深いSub drop状態です。最善は尽くしますが、言いにくいのですが…目覚める可能性は低いです…」

まだ体だって温かいのに。

Sub dropに関しては、看護学校でだってたくさん学んできたはずだ。患者のSubに対しての扱いだって、耳にタコができるほど聞いた。

なぜ、その説明が学校で何度も繰り返されるか、それくらい知っている。

【Sub dropしたSubが100%回復するとは限らないから。】

病院にいるSubは元から身体的にも精神的にも弱い人が多い。

軽いSub dropなら、まだ回復の見込みはある。しかし意識を失うまでの深いものだと、心を閉ざしてしまっている可能性があり、パートナーの声でさえ反応しないこともざらにあるからだ。

もちろん回復した例だってないわけじゃない。

事例は少ないが___

Aがこうなってしまったことに理由はある。
リスナーのDomにglareを浴びさせられたから。

抵抗しても、薬で強くなったglareにSub性が元から強かったAにはそいつには何もできなくて___

そのまま意識を失い、Sub dropしてしまった。

楽屋で無意識に俺達が出しているglareとは訳が違う。
本気のglare。

それを浴びてしまったAはもう…