愛しているから【短編集】 (ページ12)

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家族　♡ ページ12

今日は紗奈とセンラくんが家に遊びに来てくれた。それと千紗も。
瑞咲と優輝は千紗と遊んでるし３人は紗奈が見てくれてるから本当に楽だ。料理に集中できる。

不意にリビングから声がかかった。

「ねー、坂田くんはいつ帰るんだっけ？」
「もうすぐ帰ると思うよ。今日は早めに帰るって言ってたし」

するとガチャ、と玄関の開く音が。

「お、噂をすればじゃない？」

私は火を止めて玄関へ向かった。

「おかえりなさい。…優くん？」

なんだろう…朝とは彼の様子がおかしい。
いつもなら返事するのに。

「体調悪い…？大じょ…」
「はぁっ、Ω…」

心なしか、顔が赤い。あとあまりはっきりとしない発言…悪い予感がした。
その時だった。

手を思い切り掴まれたかと思うと壁に押し付けられた。

「Ω…孕ませ…る…！」
「優くっ…！」

「ぱぱぁ、おかえり〜」

瑞咲！？

「きょうね、ちさちゃんきてるんだよ！あとせんくんも！」

瑞咲はいつも帰ってきた優くんの手を引いて部屋に入れる。
今日もその通りにしようと思ったのだろう。

瑞咲が優くんの手に手を伸ばした瞬間だった。

「邪魔。」

ドン！

「…ふぇ、わぁぁぁぁんっ！」

瑞咲を突き飛ばした。
αを敵対視しているようだ。それが例え自分の子供だったとしても。

「優くっ、離せよこの手っ！」

思わず若い頃の口の悪さが出ているが、自分の子供を傷つけられたのだ。許せない。だが手が自由にならないのも事実だった。

無駄に力強え。

「ままをはなせっ！」
「優輝！」

次に現れたのは優輝で優くんに思いっきり体当たりしたが動かない。

「A大丈夫！？」
「おい坂田お前何やってんねん！」

紗奈とセンラくんが飛び込んできたのと、またもや自分の子供を突き飛ばすのは同時だった。
そしてセンラくんが私から坂田を引き離す。

離された瞬間私は瑞咲と優輝を抱き抱えて、別の部屋へと逃げ込んだ。