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A「え？」
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ゆっくりと、二宮さんが動くのが見えた。
私の身体を後ろに引っ張る、二宮さんの指が、白くて。
私の横を通り抜けてゆく、二宮さんの頬が、白くて。
私の前に立つ二宮さんの髪が、黒くて。
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また、キュンと高い音が響いて、私の後ろの壁にヒビが入るのを見て
ようやくこの高い音が銃声だと、理解した。
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大きな音が耳に響くのは、交番に突っ込んだ車がもう一度
メリメリと壁にぶち当たっている音だと、気付く。
壁を壊すようにアクセルを踏む男の人の人相はとんでもなく悪くて
悪役商会の人かしら。
このオッサン、アクセルとハンドルも、アクセルとブレーキも、間違えてないや。
悪意を持って、ここを攻撃しているんだわ。殻が剥がれるように鮮明になる頭で、理解した。
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和「翔さん」
A「え？」
和「Aのことよろしく」
A「え？」
二宮さんの後ろ姿は、私を振り向くことなく短くそれだけを、言って
左手が銃を持つのを、見た。
その銃はシルバーの、丸みを帯びたもので。
地球のじゃ、ない。と気付く。
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・
ガシ、と肩を誰かに力強く抱かれて「ぎゃ！」振り返って、その人が黒いスーツ姿の櫻井さんで
私はもう一度「ぎゃ！」叫んだ。
A「さく････どして･･･」
翔「Aちゃん！早く！」
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翔「翔さん」
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二宮さんが振り向いた。
白い頬。
咥えたままの、煙草。
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和「Aに傷一つつけんなよ」
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そう言って笑った二宮さんに、腕を伸ばす。
何が起こっているのか分からないけれど、今、この人と離れたらダメだ。と思った。
A「二宮さん！！！！！！」
翔「ダメだAちゃん！」
私の身体を後ろから抱き締めるように止める櫻井さんの腕と、大声。
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和「Aに傷つけたら、あとで翔さんぶっ殺すからね？」
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そう笑って。
いつもみたいに。
なんでもない顔で。
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白いシャツがひらりと風に舞って、
二宮さんの身体が、白い砂埃の中へ、消えてゆく。
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なの(プロフ) - どうしてこんなにみんなを幸せにできる小説が書けるんですか？ (2016年12月27日 13時) (
レス) id: 8028e8d2d9 (このIDを非表示/違反報告)
riko0509jump(プロフ) - 今まで読んだ中で一番良かったです!! (2016年6月18日 9時) (レス) id: 9ee3caaa75 (このIDを非表示/違反報告)
ミイチゴ(プロフ) - 初めまして☆1年前臭い耳の為、耳鼻科に通っている時の待ち時間でキスミーダーリンを読ませて頂きました。なんって素敵でゲスぃんだと！←。瀬音さまの描くゲス王子BD、ご馳走様でした！ (2015年7月4日 15時) (レス) id: 31f5f51951 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 会いたかった二人にまた会えるなんて！嬉しい！ブレない二宮さんと同じくらい強くて逞しい主人公ちゃんが大好きでした。瀬音さんの書く二宮さんには、大きな愛と圧倒的な覚悟があって、とても美しくて、やっぱりカッコイイです。素敵なお話をありがとうございました！ (2015年6月28日 14時) (レス) id: 9090ebc522 (このIDを非表示/違反報告)
ムーナカ(プロフ) - この2人、というかこのウチュウジンの仲間の皆さん大好きです！瀬音さんワールドと勝手に命名してる、笑いと笑いと笑いと胸キュンと涙、最後はじぃんときて、鼻水と涙目で大爆笑みたいな、世界が大好きで、本当にいつもありがとうございます。瀬音ラブです！ (2015年6月23日 0時) (レス) id: 0c2c0c5cc4 (このIDを非表示/違反報告)
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