4. ご対面 ページ5
ドキドキと胸が何度も音を立てている。
私は今、はじめて緊張というものを体験している。
はじめてのお友達。
私の？ほんとに？お父さんのイタズラかしら？なんて、変な事を考えていても仕方が無いわよね！
シュミレーションは昨日の夜に考えたわ。完璧よ！
はぁ、何か忘れ物をしている気がするわ。
お友達へのプレゼントも持ったし、お気に入りのうさぎさんのぬいぐるみもしっかり鞄に入れたわ。
よし。忘れ物もしてない。
……私、本当に大丈夫かしら！？
名前を呼び間違えたらどうしよう。プレゼント喜んでくれるのかしら。
「お父さん、私どうしよう…？」
お父さんは大きな声で笑う。もう、笑うなんて失礼ね！私は真剣よ！
「大丈夫だよ。Aは優しいし、面白いからな。仲良くなれるさ。」
「…！」
「そうよね！きっと仲良くなれるわ！」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「…。」
「……。」
どうしよう。何を話せばいいの！？
遡ること五分前。
「はじめまして！私はA。」
「貴方と会うのを楽しみにしてたわ！」
そういうと、女の子が微かに笑う。
この子が私のお友達なのね…！とっても可愛いわ！
「…私も楽しみにしていました。」
「私は(人2)と言います。これから、よろしくお願いします。」
な、なんだか静かな子ね…。
そうだわ！プレゼント！
プレゼントの存在を思い出した私はスっと(人2)の前に箱を差し出す。
「…？」
プレゼントの箱を不思議そうな顔で見つめる彼女の反応に期待を膨らませる。
「プレゼントよ！貴方の為に作ったの。」
「ちょっと下手くそになっちゃったけど…こういうのは想いが大切って言うでしょ！」
大層驚いた、というような顔をしている彼女に思わず吹き出してしまう。
「私の為に？」
「ええ！」
「姫が自分で？」
「そうよ！受け取ってくれる…？」
勿論です…！と言いながらブンブンと凄い勢いで首を縦に振る彼女にまた吹き出してしまう。
「ふふ、開けてみて？」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
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作者名：何でも屋さん | 作成日時：2022年9月9日 19時
