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千代「…先生、ちょっとA借ります」
『え?』
千代「来て、お願い」
今までの彼女と似ても似つかない声の暗さだった。
何か、あったのだろうか?
『…いいですけど』
千代「…アンタ、用あったんじゃないの」
『そうですけどね、まぁ何時でも良いので』
千代「…そう」
「…A」
『はい?』
「屋上(で待ってる)」
『………ふふ、分かりましたよ、義勇さん
…行きましょう?犬吠埼さん』
彼女の手を掴み返し、半ば強制的に体育館に入れ、そこから一番近くの教室に引きずり込んだ。
「…あの、」
『何かあったんですか?』
食いかかるように吐き捨てた。
「…もう、許してもらおうなんて思わない」
彼女がその場に膝をついた。
何をするんですか、と言おうとして、それは喉で止まった。
「____……本当にごめんなさい」
頭を垂れて、彼女はいわゆる土下座をした。
『…それは、本心ですか?
私のことを陥れ、嫌われるように仕向け、挙げ句今世では仲良しのふりして…
そんなふりをして、私のことを屋上から落としたんですか?
もちろん許そうなんて思いませんよ女王を気取ったお馬鹿さん。
とりあえず顔あげてください』
彼女が虚ろな顔で頭をゆっくりとあげた。
「…私が間違ってた…ただ、貴方が羨ましかった」
『…で?』
「ずっと、貴方より前から柱で…愛柱として、一生懸命頑張って。愛されたくて、強くなって頑張った」
『…強いのは認めますよ。貴方は強かった。私よりずっと。』
「…Aは、柱になった…はじめて、原点にして頂点だった。完璧だった。私なんかもう誰の目にも映ってなかった」
『だから私を…?』
「考えに考えて、出た答えはもう裏切ることだけだった。おもちゃみたいに遊んで…もう一度私が頂点である世界が見たかった」
『…』
「でも、得られたのは何もなかった」
『…そうで…しょうね』
相槌も、どうやってうてばいいか分からなくなるほど、
私は、泣いていた。
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しろみぃ(プロフ) - 澪凪さん» あぁーーー!!!!!久しぶりぃ!!!!ほんっとごめん完全に忘れ去ってた……………マジで土下座する……更新するねさねみんの頑張るよ……… (2021年12月31日 21時) (レス) id: 02d7799d85 (このIDを非表示/違反報告)
澪凪(プロフ) - みい久しぶり〜!年末に読み返してた笑 やっぱりみいの文章好きだな〜!実弥のも続き待ってるね!! (2021年12月31日 3時) (レス) @page38 id: 917aafc07f (このIDを非表示/違反報告)
ぶどう - 完結おめでとうございます!!とても面白かったです(≧▽≦) (2021年6月9日 6時) (レス) id: 87d010c47c (このIDを非表示/違反報告)
ぱるすた(プロフ) - ななが失敗作ですか!!良い作品っしょ!! (2020年10月23日 18時) (レス) id: 9d6ba54971 (このIDを非表示/違反報告)
しろみぃ* - あげは?さん» そうですねぇwやっちゃいますか...w←犬吠埼:は?ないしそんなの!この私がそんな目にあうとかホントにないし(ry (2020年9月16日 21時) (レス) id: 8058ce97ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しろみぃ* | 作成日時:2020年9月5日 22時