体育教師に求婚されたんですが【冨岡義勇】

5.3 ページ15

「んや、思い出したんだね?」


『まぁ、そうなりますね。




柱の皆さんと仲良くしようとしましたが、


貴方だけは仲良くなれませんでした。



それを思い出しました。』


「はは、あの時は生まれる場所と時期を間違っただけ。


アンタさえいなきゃ、愛されてたの。


愛柱なんだし、こんな可愛い女なんてそうそういないでしょう?」


『自慢ですね、羨ましい』


「黙ってくれない?貴方は引き立て役。




私は王であり、他の人はお付きの者。



それが正しい。」


『哀れですね、そんな妄想して。


しかも偽りの仮面を被って。楽しいですか?』


「勿論楽しいじゃん。みんな千代ちゃん千代ちゃんって寄ってくるんだからさ。馬鹿みたい。いや、馬鹿だったわ」


はははっと悪役のように笑った。


私はわざとらしく肩をすくめてみせた。


『まあ、馬鹿は多いでしょうね。』


「アンタもだっての。わかんない?」


『さあ、存じ上げない』


「…まあいいわ、知っててほしいことはひとつなんだ」


『なんでしょう』


「アンタさあ、求婚されたんだって?」


『どうしてそれを?』


「気づかなかったの?近くにいたんだよ、すぐに生徒会室に逃げたんだ、って違うってこんなことじゃないんだよ。」


『…そう、ですか』


このあと爆弾発言をされるのでは、と思い、身構えてさらに睨んだ。


そして。


彼女が口を開いた。









「私さ、冨岡先生＿＿＿＿いや、義勇のこと好きなんだよね。告ろうと思っててさ。」

5.4→←5.2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す