体育教師に求婚されたんですが【冨岡義勇】

5.富里さんは分からない ページ12

保健室の先生に、"暫くここにいて心を落ち着けるといい、"と言われたため、


現在多分授業は三時間目の時刻、私は保健室のベッドの上でぼんやりしています。






『……前世…鏡柱…鬼殺隊…』


「…!思い出されたのですか?」


『はい…?』


驚いたような表情の保健室の先生＿＿＿珠世先生がカーテンを勢いよく開け、此方を見た。



珠世?

『………あっ』


「どうされました…?」


耳鳴り。

『＿＿鬼…の方…っ』


「!!」


『＿＿＿珠世さん、…兪史郎さん、だ』


「…思い出して頂けたのですか」


まだ耳鳴りがしていて、気持ちが悪いが、無理に微笑んだ。


『そうみたいです。鮮明には分かりませんが…』



「思い出したのか真面目女」



『…ああ、確かそう言われてましたね』


カーテンの裏に隠れるか隠れないかギリギリのラインの所に兪史郎さんがいた。


『全ては思い出せていないです』


「あまり無理をして思い出そうとすると、かえって大変なことになりますから
…」



『冨岡先生…義勇さんのことは、とりあえずは思い出しました』





「そうですか、…随分仲が、良かったですものね」


『そうなんですか?』



「前世の貴方と、私はそれなりに関係性がありましたから。



貴方がいつも幸せそうにそのお方のことを話していたこと、覚えていますよ。」




『ほう、そうなんですね。』


「珠世様に上から目線で話すな真面目女」

頭を叩かれ、いてと声をもらした。

「よしなさい兪史郎!」


「はい!(今日も珠世様は美しい)」



『本当に、どうしましょうか…会いづらいです』


「もう、避けるのも一手だと思いますよ。」


『まさか貴方からそんな言葉が聞けるとは心外ですね。


＿＿＿ああ、兪史郎さんその手を下ろしてください。』








＿＿＿＿＿＿もう、避けよう。忘れよう。





そう思い、小さく笑った。




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[大正コソコソ噂話]

前世のAさんと珠世さんは文通するほど仲が良かったよ。

兪史郎とも、たまに叩かれたりはするけど仲がいいよ。

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