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待ち合わせ(M13目線) ページ31

契約更改も、無事に完了。

今日は、Aさんとの約束の日。

手元には、あのネックレス。

…何か、お礼とか貰えたりして。



ウキウキしながら、表参道のカフェへ向かう。

お店に着くと、奥のテーブルにAさんがいた。

白いオフタートルニットに、千鳥格子のショートパンツ。

スラリと伸びた手足は、とても目を引く。



『平沢くん、こっちだよ!』

小さく手招きされ、着席。



M13「すいません、待たせちゃいました?」

『ううん、私もさっき来たばっかりだよ』

M13「それなら良かった!」

『好きなの食べていいよ、今日は私が奢るから!』

M13「いいんですか!?」

『勿論!』

M13「それじゃあ、お言葉に甘えて」



というわけで、俺は季節限定のパスタランチ、Aさんはパンケーキプレートをオーダー。

食事をしながら、本題を切り出す。



M13「そうだ…これ、拾ってからずっと持っててすいません」

小さなジッパー付きの袋に入れた、ネックレスを差し出す。

無地だとあれだし、可愛らしい柄のものにした。



『本当にありがとう…良かった!』

今にも泣き出しそうな顔で、Aさんは笑った。

原さんに貰ったものだし、命と同じ位、大切なんだろう。

…あぁ、やっぱり俺に勝ち目は無さそうだ。



『そうだ、私からもお礼あげるよ!』

差し出された、小さな紙袋。

開けてみると…“鴎十三番・平沢大河”と書かれた根付。

普通のものとは違って、かなり頑丈に作られているようだ。



M13「あ…ありがとうございます!」

これは大切にしないとな。

…そうだ、今のうちに言わなきゃいけない事がある。



M13「俺…Aさんの事、ずっと好きでした」

彼女の目をまっすぐに見つめ、今までずっと胸にしまっていた、自分の気持ちを伝えた。



『ごめんね…気持ちは凄く嬉しいんだけど、私は樹理が一番だから、平沢くんの気持ちには応えられないの』

彼女は、寂しそうに微笑むだけだった。

あぁ…俺の片想いは、これで終わったんだな。



M13「分かりました…なんかすみません」

『落ち込まないで、きっと素敵な人と出会えるよ!』

M13「こうなったら、めちゃくちゃいい男になって、Aさんを見返してやりますからね!」

『その意気、その意気!』



こうして、俺はこの恋に幕を下ろした。

真冬のはずだけど、不思議と温かい気持ちになった。

不安(Ys16目線)→←帰京



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設定タグ:プロ野球 , 原樹理 , バレエ   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ゆみぃ | 作成日時:2019年12月30日 2時

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