花の都の真ん中で第7幕 (ページ12)

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打ち合わせページ12

数日後、デザイナーの方と打ち合わせ。

和子さんと一緒に、応接室に向かう。

ドアを開けると、やや明るい茶髪のボブカットの、小柄で可愛らしい女性が座っていた。

パッと見、私と同じ歳っぽいこの人が、デザイナーさんらしい。

和「すみません、お待たせしました」

『初めまして、吉川Aです』

「申し遅れました、Principalのデザイナーをしております、糸村優子です」

糸村さんと言うのか。

話し方を聴くと、ほんわかした雰囲気だなぁ。

糸「では、早速ですが打ち合わせに入らせて頂きます」

『はい、よろしくお願いします』

和「今回、吉川にオファーを頂きまして、本当にありがとうございます」

『とても光栄です…』

寧ろ、私のようなポンコツで大丈夫だろうか？

糸「今回、吉川さんにオファーしたのは、ブランド名のイメージにピッタリな女性は、あなたしかいないと直感したからなんです。
花嫁様が最高の主役となる結婚式の日、きらびやかに輝いて頂けるようにという気持ちを、“Principal”という名前に込めました。
是非、あなたに着て頂きたいんです！」

和「Aちゃん、良かったじゃない！」

『いやいや！』

褒められ過ぎて、何だか照れくさいなぁ。

でも、嬉しい。

糸「差し支え無ければ、近いうちにカタログの撮影をさせて頂きたいのですが…
ご都合はいかがでしょうか？」

和「少々、お待ち下さい」

手帳をめくり、スケジュールを確認する和子さん。

和「来週の月曜と火曜は、まるまる空いてますね。
移動も無いし、Aちゃんもここで大丈夫？」

『はい、お願いします！』

糸「ありがとうございます！
では、来週の月曜と火曜に撮影を行います。
着替えやメイクの兼ね合いもありますので、両日共に朝8時の集合とさせて頂きます」

『分かりました！』

よし、早起きしないとな。

和「遂に、あなたの花嫁姿が拝めるのね！笑」

『ちょっと…和子さんったら、気が早い！笑』

糸「うふふ…笑」

その後も、打ち合わせはとても和やかに進んだ。

どんなドレスが着られるかなぁ？

今から、楽しみになってきた！