花の都の真ん中で第7幕 (ページ11)

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オファーページ11

練習を終えて着替え、駐車場に向かおうとした時だった。

和子さんが、こちらに駆け寄って来た。

和「Aちゃん！」

何故か、とても嬉しそうな表情だ。

『どうしたんですか？』

「実はね…ウェディングドレスのメーカーさんから、あなたにイメージモデルを務めて欲しい、ってオファーが来たの」

ウェディングドレス、ですと…！？

しかも、野球選手の私に！？

「“Principal(プリンシパル)”っていう、今話題のブランドよ！」

『へぇ…』

その前に、プリンシパルって、バレエで言うと最高位のダンサーの事だぞ！！

『プリンシパル、ですか…』

和「Aちゃん、まさに博多のプリンシパルじゃない！」

『いやいや…汗』

和「人生一度きりなんだから、まずは受けてみたら？」

そこまで言うなら、やってみよう。

『分かりました、お受けします！』

和「そうと決まれば、早いわね。
先方には、私から連絡しておくね！」

『はい、よろしくお願いします！』

和子さんと別れ、駐車場へ。

運転しながら、ふと考えた。

…樹理が私のドレス姿を見たら、どんな顔をするかなぁ？

頬が熱くなるのを感じつつ、家路を急いだ。