花の都の真ん中で第4幕 (ページ33)

今日:14 hit、昨日:5 hit、合計:29,574 hit

着火ページ33

両チーム、ヒットは出るものの、なかなか点が入らない。

お互い一歩も譲らず、0対0で迎えた6回。

2アウト2塁、バッターはギータさん。

9「大丈夫じゃ、俺に任せろ」

大きくて逞しい背中が、そう言っている気がした。

カウント2-2から、バットを振り抜く。

快音が鳴り響き、ボールは左中間へ。

今宮さんがホームインして、ホークスが先制。

ギータさんは、2塁でみんなの声援に応える。

ベンチのムードも、一気に上がった。

『やったぁ…！』

18「流石、ギータさんらしいな」

翔太と、ハイタッチ。

ギータさんの笑顔を見ると、心の底から野球を楽しんでいるのが、本当に良く分かる。

純粋な野球少年が、そのまま大人になった、という表現が、これ程までに似合う人は、そうそういないだろう。

私も、あんな風になりたいなぁ。

その後、3アウトになり、ギータさんが戻って来た。

9「どうじゃ、俺のヒット凄かったじゃろ？笑」

爽やかで嫌味の無い、キラキラのドヤ顔。

『はい、思わずベンチから飛び出しそうになりました笑』

18「ベンチのみんなで、“うぇ～い！”って笑」

9「このまま、流れをこっちに引き寄せるけぇ！」

左手にグラブをはめ、ギータさんはセンターの守備へ。

守備に着いたみんなの目が、一段と鋭くなる。

このまま、勝てますように…！