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幸せな一日 ページ22

バスに乗り、西戸崎駅へ。

名残惜しいが、明日も練習があるので、帰らないといけない。

沈んでいく夕陽が、とても綺麗だ。



「すげぇ、ロマンチック!」

『夕陽も綺麗でしょ?』

「東京で見るより、何倍もええな」

『ふふっ笑』



駅に着き、電車を待つ。

ホームには、私と樹理しかいない。

ベンチに腰掛け、見つめ合う。



『「……」』

しばし、沈黙が流れる。

樹理の瞳に、吸い込まれそうだ。



「どうしたん、真っ赤やで?」

『べ、別に…』

「ふふっ、可愛いなぁ」

『そんな事無いよ!照』

恥ずかしくて、目を逸らしてしまう。



「A、こっち見てや」

樹理の、柔らかい笑顔。



「俺からも、ホワイトデーって事で」

花柄の、小さな紙袋を差し出される。



『わぁ…可愛い!』

ジュエリーボックスに入った、ピンクのバラのプリザーブドフラワー。

花の側で、2羽の白鳥が向かい合い、ハートを作っている。



『ありがとう、凄く嬉しい!』

「喜んでくれて、良かったわ…」

優しく、抱きしめられる。



電車に乗り込み、博多駅へ帰る。

お互いの肩にもたれ合い、気が付くと眠っていた。



目を覚ますと、終点まであと1駅の所。

樹理をそっと起こした。



『樹理、もうすぐ博多だよ』

「ん〜…俺、寝てたん?」

『それはもう、気持ち良さそうに笑』

「あはは笑」

『寝顔、本当に可愛かったよ笑』

「それ以上、言わんといて!笑」



博多に到着。

私は地下鉄に乗り換えるので、樹理とはここでバイバイ。

改札口で、そっと抱き合う。



『今日は、本当にありがとう。
6月に神宮行くから、その時にまた会えたら良いね!』

「俺の方こそ、ありがとな。
東京で、投げ合えたらええな!」

『次も絶対、私が勝つからね笑』

「いや、俺が勝つで!笑」

『じゃあ、またね!』

「おぅ、気ぃ付けてな!」



今日は、本当に幸せな日だったなぁ…

人混みに消える樹理を見送り、地下鉄の改札をくぐった。

誰?(Sh16目線)→←志賀島(Ys16目線)



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設定タグ:プロ野球 , 原樹理 , バレエ   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ゆみぃ | 作成日時:2019年3月24日 22時

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