バレンタインデー（Ys16目線） ページ45
2月14日、バレンタインデー。
好きな人に、自分の気持ちを伝える人も、多いんやろう。
俺は…Aからのプレゼントを待つ。
キャンプがあるから、貰えないのは分かっとるけど。
ファンの人達からも勿論やけど、やっぱりAから貰うのが、世界で一番嬉しい。
大好きな彼女からなら、何でも貰うわ。
たくさんのプレゼントを抱えながら、部屋に戻る。
Ys31「お前、モテモテやん笑」
晃大朗に、茶化される。
「貰ったはええけど、何か複雑な気持ちなんよ」
Ys31「ほんまは、彼女から貰いたいんやろ笑」
「おっしゃる通りです照」
Ys31「その気持ち、めっちゃ分かるわ。
好きな人からやったら、ほんまに嬉しいよなぁ。
ましてや、普段なかなか会えないってなったら、余計に嬉しくなるわ」
「飛び上がって、喜びたくなるよな笑」
Ys31「こないだの、お前みたいな感じ笑」
「あの時は、ほんまに嬉しかったんやで！照」
Ys31「樹理の彼女の写真、見たいわ笑」
「却下！照」
Ys31「そのうち紹介してや笑」
「機会があればな」
Ys31「あっ、そろそろ夕飯やな。
樹理、俺先に行ってるで！」
晃大朗が部屋を出たのを確認して、通話のボタンをタップ。
『…もしもし？』
数コール目で聴こえた、大好きな人の声。
「よぅA、お疲れさん♪
最近は、どんな感じなん？」
『実はね、退院した翌日から、筑後で練習再開したんだ。
ランニングとか、軽いのしか出来ないけど。
私だけだから、一人キャンプ状態だよ笑』
凄い回復力やなぁ。
「でも、練習出来るようになって良かったやん！」
『日本一になりたいから、今の私に出来る事をしなきゃ、って思って練習してる。
今日は、バッティング練習したよ』
優勝とか日本一に懸ける思いは、俺達も同じや。
“常勝軍団”って呼ばれるホークスは、それが特に強い。
「Aのバッター姿、見たい！笑」
『動画撮ったけど、見せないよ笑』
「何でやねん！笑」
『フォームがヤバいから笑
あっ、そろそろご飯だから、またね！』
「おぅ、またな！」
電話を切ると同時に、はたと気が付く。
“ハッピーバレンタイン！”って言ってへんかった…
「ああぁぁ〜！」
どないしよう？
モヤッとした気分のまま、夕飯に向かった。
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作者名：ゆみぃ | 作成日時：2019年2月15日 20時
