異変 ページ34
投手会の翌朝。
キャンプインまで、あと1週間。
目を覚ますと、左耳の調子が何か変。
何にも、音が聴こえない。
午後から練習に行く予定だったけど、やめた。
翔太に、メッセージを入れる。
A今日の練習、ちょっと体調悪いから休む。ごめん
たけしょー分かった。キャンプも近いし、無理するなよ
病院に行き、今の状態を説明した。
すると、先生からこう告げられた。
医師「念のため、色々検査してみましょう」
『分かりました…』
私、実は重症なのかな…！？
不安が頭をよぎる中、検査室に向かう。
諸々の検査を終え、先生に呼ばれる。
すると、思いがけない結果が。
医師「吉川さん、突発性難聴ですね」
『突発性難聴、ですか…！？』
ミュージシャンの人とかがなる、あれか。
医師「ただ、吉川さんは早い段階で受診されたので、それが不幸中の幸いですね。
まず、明日から1週間程度入院して、治療しましょう。
そこからまた3週間程度、経過を見ていきます。
無理は禁物です、なるべく安静にしましょう」
『はい…球団にも報告したいので、診断書を頂いてもよろしいでしょうか？』
医師「分かりました、では入院手続きの書類と一緒に、会計の時にお渡しします」
会計を済ませ、書類を受け取り、ドームに向かう。
恐らく、今年はキャンプに行けない。
絶対に優勝して、日本一になりたいから、宮崎でいっぱい練習したかったのに。
どうして、今なの？
悔しくなって、涙が零れた。
ドームに着くと、監督と会った。
涙をぐっとこらえて、声を掛ける。
『監督、お疲れ様です』
81「おぉ吉川、どうしたんだ？」
『お忙しい所とは存じますが、すみません。
今、お時間よろしいでしょうか？』
81「今は、何も無いから大丈夫だぞ。
場所を変えた方が良いか？」
『はい、事務所の方とも話をしたいので、お願いします』
監督と話していると、私服姿のギータさんに会った。
9「おぅA、お疲れさん♪
監督も、お疲れ様です！」
『ギータさん、お疲れ様です。
今日はもう、上がりですか？』
9「あぁそうじゃ、お前はどうした？」
『上の方々と、大事な話をしようと思って』
9「何じゃ、大事な話って？」
81「柳田も来てくれないか？」
9「大丈夫っすよ」
『ありがとうございます』
9「良いって事よ！」
監督とギータさんに連れられ、事務所へ向かった。
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作者名：ゆみぃ | 作成日時：2019年2月15日 20時
