待ってる（Ys16目線） ページ13
Aの部屋のドアをノックする。
中に入れてもらい、二人でソファーに座った。
お互いに見つめ合ったまま、沈黙が流れる。
何か話そうと思い、彼女の名前を呼ぼうとした時。
『「A／樹理！」』
見事、二人同時に呼び合った。
『「ぷっ…あはは！笑」』
今度は、二人一緒に大爆笑。
すかさず、Aを抱きしめる。
穏やかで優しい、カモミールの香りがする。
「A…ごめんな。
俺、良い歳して大人げない事したわ」
『私の方こそ、ごめんね。
まだまだ、私も子供だよ…』
「これから、二人で成長していけばええんよ」
『これでまた一つ、大人になったね笑』
「ふはっ笑」
ふとバランスを崩し、Aをソファーに押し倒す体勢に。
ネイビー地に白い雪柄の、モコモコしたパジャマ。
可愛さの塊やないか。
少し恥ずかしいのか、手で顔を隠す彼女。
そんな事したら、余計にそそるわ。
「ヤバい…今日のA、めっちゃ可愛い。
ほら、顔隠さんで、俺の目ぇ見てや」
両手をどかし、彼女の瞳を見つめる。
また赤面するから、ほんまに止まらなくなりそうや。
「あかん…どんどん可愛くなる」
ゆっくりと、やがて激しいキスをする。
舌を絡ませ合えば、Aの瞳が潤む。
乱れた髪が、俺の本能に火を点ける。
パジャマの裾から、手を入れようとする。
しかし、Aに手首を握られたので、そこで止めた。
『その…心の準備がまだ…』
「そ、そっか…ごめんなぁ…」
さすがに、まだ早いよなぁ…
『その時まで待っててくれたら、嬉しい…』
「ええよ、気長に待つから」
『ありがとう、ごめんね…』
「大丈夫やで」
優しく髪を撫で、触れるだけのキスをして、部屋に戻った。
「ほな、お休み」
『お休みなさい』
その先に進みたい。
せやけど、大切にしたい。
もどかしい気持ちで、一杯や。
A…俺、いつまでも待ってるで。
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作者名：ゆみぃ | 作成日時：2019年2月15日 20時
