気まずい（Ys16目線） ページ11
Aの部屋をノックするが、返事が無い。
すると、翔太が声を掛けてきた。
18「あいつ多分、体育館にいると思う。
さっきすれ違ったんだけど、トウシューズ持ってたから」
「ありがとな！」
体育館へ行くと、電気が点いとる。
入口からそっと覗くと、ゆったりとした曲に合わせて踊る、Aの姿。
何かに抗い、もがくような仕草。
両腕は、弱々しくも精一杯、羽ばたくような動き。
曲が終わると、彼女は腕を畳むような動きをして、ゆっくりと床に座り込んだ。
とても、美しい。
ただ、その言葉しか思い付かん。
すると、彼女が振り返り、俺の方を見る。
目が合ってしまい、俺はそそくさと退散。
…A、凄く悲しそうな顔やったなぁ。
いっその事、駆け寄って抱きしめれば良かったんかなぁ？
考えれば考えるほど、モヤモヤする。
そんな気持ちを紛らわせる為、ランニングに行く事に。
走っていると、後ろから声がした。
18「お〜い、樹理〜」
翔太や。
18「良かったら、一緒に走ろうぜ」
「おぅ、ええよ」
走り終え、ホテルに帰ってきた。
一緒に風呂に入り、色々話す。
「なぁ翔太、俺Aにどう謝ればええ？」
18「う〜ん…あいつ結構ナイーブだからなぁ。
感情を表に出すのが、少し苦手みたいなんだ。
抱きしめて、ストレートに“ごめん”で良いんじゃない？
俺が樹理だったら、そうするかな。
変に言葉を使わず、シンプルイズザベストって事で」
「何か、自信持てたわ。
翔太、いつもありがとな！」
18「良いって事よ！」
笑顔でハイタッチ。
着替え終わってすぐに、Aの部屋に向かった。
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作者名：ゆみぃ | 作成日時：2019年2月15日 20時
