ハッピーエンドはもう近い【twc】 ページ1
このどうしようも無い関係に、終止符を打とう。
「んん、とわこ、」
「起きた?」
「おきた」
「朝飯」
「いる」
「はいよ」
傍から見れば、カップルに__或いは、夫婦に__見えるのかもしれない。
けれど、俺らを繋いでいるのは愛とか恋とかそんな純情ぶったもんじゃなく、互いの体、それだけだ。
所謂、“体だけ”という関係は、2年も続いていた。
「んま。とわこ嫁に行けるよ」
「どこに嫁入りすんねん」
「それはそう」
けらけらと笑うAを横目に、洗面台へ向かう。
スウェットから覗く肩には、昨日の夜、Aが付けた跡がある。
少し恥ずかしく、後ろめたいような跡は、いつの間にか愛しくてたまらないものになった。
「とわこさぁ、結婚とかしないの」
「せぇへんよ、相手もおらんし」
「そういやそうだね」
Aが結婚してくれんねんやったら、別やけど。
なんて女々しいことは心の内へ閉まっておく。
「じゃあ、さ。私でいいじゃん」
「は?」
「結婚してくれる人、居ないんでしょ」
「そうやけど...」
「私じゃ、ダメ?」
ダメなわけじゃない、むしろ、嬉しい。
でも、やっぱり俺から言いたかった。
「あのさ、A」
「ん、」
「俺、ずっと前からAのこと、好きやったんやけど」
「、へ、?」
「体だけの関係より、恋人になりたいってずっと思っとった」
「とわこ、」
「俺でいいんやったら、結婚前提に付き合いたいとは思ってる、けど」
「...好きだよ、とわこ。付き合ってください」
「よろこんで」
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作者名:おまめ | 作成日時:2023年9月19日 22時