もう一度 ページ45
愛していた夫が死に、最後に残った最愛の娘をなんとしてでも守りたい。
けれど、ある日突然失踪した。
村の皆んなと必死になって、村中を探した。
手紙でその事実を知った時、自分がどれだけ迷惑を掛けたか...
気が狂いそうになった母は、崖から海に落ちようとしていたところを運良く村の長に見つけられ、飛び降りることは無かったが、精神的にも危うく、病気になり意識が戻らないらしい。
そう、それは母が書いたモノでは無く、村の長が書いた手紙。
その手紙が来た日に家を出て、村は急いで帰った。
だけどもう...
今更待ってと叫ぶには、“あまりにも”全てが遅すぎた。
“母「...」”
色白で冷え切った母が布団で横たわっていた。
髪は荒れていて、目を閉じて寝ていた...
だけど呼吸をしていなかった...
自分はそれが受け入れられなかった。
“唯愛「...お母さん。私、帰って来たよ...?」”
何度も母に呼びかける私を見ていられなかった村長が、こう言った。
“村長「...お前の母さんはなぁ、ずーっと待っとたんじゃよ...帰ってくる日を布団の中で。お前さんが帰ってくる日が、いつか来るのを信じて...」”
村長の言葉に、心臓が、心が止まった。
村長は下を向いて黙った。
“唯愛「ねぇ、母さん?」”
もう一度私が出て行った“あの日”に戻れるのなら、
“唯愛「待ってよ...!私を置いて行かないで!お母さん!!」”
私は必ず、
“貴女のため”に帰ってくると伝えよう。
私はその日から、任務に集中出来なかった。
後悔と悲しみが私を襲ってくる。
鬼を斬る時でさえ、泣いてしまう。
ある時、私は“それ”で取り乱してしまった。
癸でも簡単に斬れる鬼をあと少しで斬れるのに、日輪刀を落とした。
殺される...死ぬ。
けど、死ぬのが怖く無くなった。
その時だ、悪夢が始まったのは。
楓が現れたのは、すぐだった。
鬼の首を斬り、恩を着せられてしまった。
“楓「助けてやったんだから、感謝しなよ?」”
“楓「あっ、そーだ!良い事思いついた!」”
“楓「アンタ...私が人気者になるための踏み台になってよ♡」”
“唯愛「えっ...」”
この後は想像通り、アイツの言いなりになりました。
と、ここまでが私の話です。」
Aside
話終わった唯愛の目には、涙が一粒出ていた。
目に何も写って無かった。
まるで鏡を見た自分の目とそっくりな目だった...
1050人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ラムネ - ヨッシー2号さん» 頑張って今日は後編まで出しますw (2020年3月2日 14時) (レス) id: 1a10dbe1cb (このIDを非表示/違反報告)
ヨッシー2号 - 続きッ!続きをッ!くださいッ! (2020年3月2日 13時) (レス) id: 068bdbacd4 (このIDを非表示/違反報告)
ラムネ - らい太郎さん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2020年2月29日 13時) (レス) id: 1a10dbe1cb (このIDを非表示/違反報告)
らい太郎(プロフ) - 真衣ちゃァァん!私真衣ちゃんみたいなキャラ?悪女からいい子に、見たいなキャラが好きで、ほんと!ありがとうございます!←最新頑張ってください! (2020年2月28日 23時) (レス) id: 61d99012e6 (このIDを非表示/違反報告)
ラムネ - マドレーヌさん» すみません、悪女の苗字を変更しました! (2020年2月27日 22時) (レス) id: 1a10dbe1cb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ラムネ | 作成日時:2020年1月5日 23時