35 ページ40
数日後私は無事に部活動へと復帰をした。
ちょうど３年生の修学旅行と重なっていたこともあり、私は大好きな先輩方にはばれないまま休止期間を終えた。
２年生の先輩方は気にしなさそうな方だし、仲良しグループには説明していたのもあって特別変には見られなかったのがありがたいことだった。
劇を本格的にやることになったらしくて私と桜と心は先生と部長に半分呼び出しの形で集まった。
中には渚先輩、咲来の先輩である奏先輩、あとは今日お休みである桜の先輩と私たちという構図らしい。
何をするのかとワクワクして待っていると、ホワイトボードに名前が書かれる。
ハウルの動く城・・・・
ジブリ好きの私には聞き覚えしかないワードだった。
まだフルは一回しか見たことないけど結構ソフィとあとマルクルがかわいく気に入っている。
「それで、役決めをしようと思うけど何がいいとかある？」
そう言って部長がノートを開く。
○○役と書いてある横には白の空欄、そこに名前を書くんだろうか。
「じゃあ私ハウル！」
そう声を上げたのは渚先輩だった。
桜の話だと前の時はラプンツェルの中で男役をしてたらしいし、鉄板なのかもしれない。
それに、きれいなロングはあっている。
直感的に思った。
「わかった。ハウルは渚ね。あと…」
「私は荒れ地の魔女かな！」
こちらも元気な奏先輩が答える。
奏先輩は優しくてかっこいい先輩で、悪役にちょうどいいは失礼かもだけど妖艶な雰囲気があっている。
直感的にあってるってこちらも思う。
「Ok、奏は荒れ地の魔女っと…」
部長のきれいな字がノートの上を踊る。
私はのぞき見ってわけじゃないけどそれを眺める。
「一年生はどれがいい？」
私含め三人とも迷ってしまう。
三年生の前で発言するのがちょっと怖いとかいろいろあるけど、なにを思っているかなんとなくわかる。
何の役があるかわからない。
これに尽きる。
「あとは…ソフィとマルクル、カルシファーぐらいだよ。」
そういわれてしまうと私の選択肢は一つしかない。
マルクルのようなかわいい系は趣味ではないしカルシファーも以下同文だ。
だったら、
「あ、の、私ソフィちゃん…」
そういった瞬間全員の視線が注がれる。
私なんかが、こんな不細工がソフィちゃんに並ぼうなど…！
「あっ、あれですよ、おばあちゃん役！」
そう思いっきり叫んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 9人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こんわた | 作成日時：2023年8月24日 18時
