不登校ちゃんと闇深優等生ちゃん「オリジナル」 (ページ37)

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そのまま、気づくと夏休みは終わり、私たち吹奏楽部の活動も落ち着きを取り戻してきた。

私たちにはそんな中試練が襲い掛かっていた。

それは「マーチング」の存在だった。

先輩から何となく聞いていたがいざするとなって話を聞くと怖すぎる。

吹奏楽を知らない人のため、簡潔に説明をするとすれば

楽器をふきながら、会場を一人乱れることなくそろった動きを続ける。

ということだ。なんなら強豪校のチームとか見てほしい。

本当に、いい意味でくるってる。

朝練が追加され、早朝から今も必死に一年生たちは噛みついているところだ。

今も…

「清川っ！ずれてる、左でポイントにつかないっ！」

「はっ、はいっ！」

一年の中でもトップレベルに運動ができず、ダンスなども大の苦手の私にとっては拷問のほかならない。

右足から踏み出す、一歩の感覚をつかむ…など

これにプラスして楽器の演奏とか本当にどうかしていると思う。

「じゃあ、今日は解散！」

先生のその言葉を聞いて、私はやっと脱力する。

「はぁ…今日も言われた。どうやってみんな動いてるの？」

「どーやってって…えっとね…こう！」

咲来に頼るも、「いちにっさんしっ」と言いながら私には到底できなそうな動作を繰り返していた。

「うぅ…それができれば苦労しないっ…」

そうやって負け犬の言葉をたたくことしかできない。

感情が半壊しているといっても私が理解しにくいのが「うれしい」「たのしい」の二つほどで「苦しい」とか「悲しい」は一人前にわかってしまう不便な体なのがいただけない。

こんな未完成の体にどーして心なんてついているんだろう。

「あ、瑠璃ちゃん、明日から３年の先輩いないけど頑張ろうねー！」

そういったのは２年の先輩だった。

そうだ、明日から３年の先輩は修学旅行でいないんだ。

と、なるとやっぱり私にマーチングという課題が残ってしまう。

朝練も頑張らなきゃなぁ。

そう思って過ごしていた。

「やっば、今日雨じゃん。」

豪雨、風は強くなかったが雨の音で車の音や話し声が聞こえなかった。

自転車でいつもの道を少し早く駆け抜ける。

一時停止のところで止まろうとブレーキを切る。

だが、水たまりにスリップして止まれない。

運の悪いことにこちらに向かう、軽トラックと鉢合わせる。

相手も止まれないようだ。

あ…

最後の抵抗でハンドルを思いっきり反対に切った。