不登校ちゃんと闇深優等生ちゃん「オリジナル」 (ページ36)

今日:12 hit、昨日:1 hit、合計:4,727 hit

31 ページ36

どんどん、読み上げられていく、他校の名前、それによって静かな拍手やそれとは別の喜びの声が聞こえていた。

「１２番。」

静かに読み上げ係の人が私たちの校名を読み上げた。

「＿＿＿銀賞」

その言葉が小さくこだました。

拍手を無感情に送っただけだった。

…銀賞？

前の三年生たちが数人涙ぐむのを見た。

一年生の同級生でも特に心とか泣いていたのも見た。

でも、私はこの感情についていけなかった。

なんでっ＿＿＿

こんなに＿＿頑張ったのに＿＿＿

そんなこと言ったってもうどうにもならないことを知っていた。

でも、でも‥‥

私の人生ならまだしも、こんなのって＿＿

こんなのって‥‥

気が付くと視界がぼやけていた。

頬に伝うのは涙だと知った。

静かに私は涙をぬぐってみんなで買った、ジュースのペットボトルを握りしめた。

そこから一瞬だった。

学校につくと、先輩が涙ぐみながらも後悔はない。と語っていた。

胸が痛くてたまらなかった。

ぎゅっと何かが締め付けてきて痛かった。

苦しかった。

もう、こんな思いしたくなかった。

桜たちと淡い気持ちのまま別れ、お父さんが迎えに来ていた。

「どうだった？」

「…銀賞。」

私は短くそう答えた。

吹奏楽経験のあるお父さんから見ればそれで言葉は足りた。

地区大会のあった県がおばあちゃんの家の近くであったため、応援ついでに弟とお母さんはもうおばあちゃん家だ。

私は、どうしてもみんなと帰りたくて今日はお父さんと二人で家に残ると決めた。

明日はお父さんも一般の部に出るため、私は駅まで送ってもらった後、特急列車に一人で乗っておばあちゃん家の最寄り駅を目指すのだ。

「じゃあ、夜ご飯買っていこうか。」

もう９時近く、太るなぁと思いながらも１２時前に食べたっきりでおやつは食べていてもおなかはすいていた。

コンビニに入ると残り物のサンドイッチやヨーグルトを最初にとり明日の朝ごはんにすることにした。

夜ご飯にはそこらへんに余っていたおにぎりを２個買った。

お父さんも明日のご飯を買っていた。

家に帰り、明日の最低限の用意、まぁ、ほとんど泊まりに行く用意から帰る必要はないけど。

ご飯、お風呂を済ませると、ベッドに入った。

この２日の思い出がよみがえる。

そのために胸が少しきゅっとしまった。

気づいたら寝ていて朝の陽ざしが入ってきていた。