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「じゃっじゃーん！！」
桜が小さい手に隠して持ってきたカードゲームの箱は小さい正方形だった。
「このゲームおもしろいんだよ！」
「さっすが桜。っていうか先生の目もあるのによく握って部屋までこれたね？」
「まーね！っていうか物音聞こえなかったから先生もう部屋にいないかも。」
「えっぐ、桜そういうところチャレンジャーだよねぇ。」
雑談が繰り広げられると桜は手際よくルール説明をして手札を配った。
「よっしゃ、あがりっ！」
心がこのゲームは強かった。
続いて私か咲来。
持ってきた張本人である桜は意外と弱く、私か咲来とビリ争いを繰り広げいていた。
結局テレビはつけ、朝の情報番組が明るい音声でしゃべっていた。
遊んでいると意外に時間が早く進み、６時５０分になったので、一階に降りることにした。
エレベーターから降りると真っ先に先生が待っていた。
「向こうで食事ね。」
そう言われて、四人で向かう。
四人で向かった先はビュッフェ式の料理だった。
お皿を持って浮かれながら四人で選ぶ。
「なににする〜？」
「…んー、これとこれか」
みんなが選んだメニューは結構個性が見えた。
私と咲来がご飯で心と桜はパン。
私はついでにお味噌汁とオムレツ、ベーコンなどを選んだ。
私たち四人組は来るのが早いほうだったらしく、食べ始めてから部活の同級生やら先輩やらがぽつぽつ見え始めた。
「ごちそうさまー」
四人で一回部屋に戻るとき、やっと全員が食べ始めたという感じだった。
ぎりぎりまで遊びたいという桜の意思に従い、みんな一回自分の部屋で荷物をまとめ、私の部屋に荷物を持って集まる。
と、いうことらしかった。
私は一人っきりでは何もすることがなく、用意が終わった荷物を眺め、何をするでもなく、天井を眺めた。
楽しい…
この楽しい気持ちはどこからなのだろうか。
不思議でたまらなかった。
三人が楽しいと思っているからそれがいつものように移っただけなのだろうか。
それとも・・・
この胸があったまる感じが、これを楽しい、うれしいと本当に言うのだろうか。
天井に手を伸ばすが、もちろん手が届かなくてもどかしい。
ちゃんと、もしかしたら私には気持ちがあるのかもしれない。
うれしいとか、楽しいとか、これから人の気持ちに頼らなくてもよくなるのかもしれない。
コンコン
少し高めの音をドアが奏でた。
たぶん、三人のうちの誰かだろう。
「はーいっ」
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作者名：こんわた | 作成日時：2023年8月24日 18時
