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鏡の前の私が笑う。

今日はさやのちゃんと雪ちゃんと遊ぶ日だ。

二人と話し合っていくと決めた場所はカラオケだった。

さやのちゃんのおばあちゃんが一緒についてきてくれるらしい。

雪ちゃん、さやのちゃんとともに同じ趣味を持っている三人としては、個室であり歌が趣味で好きな曲調も似通っているからすぐ決まった場所だ。

せっかく友達と遊ぶから、おめかしをしたくて、私が持ってる中で一番かわいいワンピースに初めて袖を通した。

いつも好きなキャラクターTシャツと短パンぐらいしかはかない洒落なんて言葉と一番縁遠い私にはこれが精いっぱいのおしゃれだった。

最後にいつもと違ってハーフアップに結んだ髪を整え、夏の日差し除けのためシンプルなキャップを被る。

「よしっ」

私は小さくつぶやいて洗面台から離れて自分の部屋に置きっぱなしだった財布を小さな肩掛けバッグの中にしまう。

「瑠璃ー、準備できた?」

「うんっ、お母さん、行ってくるね。」

私は小さくそういった。

「行ってらっしゃい。」

微笑みが柔らかいお母さんは私に向かってそういった。

「はーい、行ってきます。」

そう言ってドアを閉めた。

みんなと最初の待ち合わせに決めたのは、私の家から徒歩10分ほどの公園だった。

そこに行くと大きな車が止まっていて、中からさやのちゃんが下りてきた。

「さやのちゃんっ!!」

「瑠璃ちゃん!」

久しぶりの親友との再会を互いに祝い、抱き着いた。

小学校6年生の頃は毎日のように互いに抱き着いて共通の趣味についてしゃべっていた。

そのことが昨日のように淡い色で私の頭の中を一瞬でめぐる。

「久しぶりだねぇ、じゃあ、乗って、」

いつもの柔らかい口調が一回も変わることのないままで私の気持ちを一瞬で安心させてくれた。

車は、さやのちゃんのおばあちゃんのものだった。

私は乗るときに

「今日はよろしくお願いします。」

そう言って乗る。

「いいのよ、瑠璃ちゃん、いつもさやのと遊んでくれてありがとうねぇ」

さやのちゃんと似通った口調、遺伝だとわかる。

おばあちゃんっていうけどめちゃくちゃ元気でうちのおばあちゃんより絶対若いと思う。

そのぐらいには服装から見た目から何から何まで優しくて若々しかった。

「じゃあ、雪ちゃんの家だね!」

その公園からほど近い、雪ちゃんの家に向かい合流することになった。

静かにエンジンが音を立てて動き出した車。

私はゆっくりと進む景色を眺めた。

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作者名:こんわた | 作成日時:2023年8月24日 18時

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