不登校ちゃんと闇深優等生ちゃん「オリジナル」 (ページ19)

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ついに、吹奏楽コンクール、全国大会の日がやってきてしまった。

一回、サマーブラスという、夏の演奏会みたいなものに出たことはあるけどそれとはわけが違う。

コンクール、という場所に向かうという緊張感は自然とあった。

咲来と目を合わせる。

「緊張してる？」

「そ、そりゃそうでしょ…」

コンクールでは、順位や金賞などが決まる。

この順位次第で、次の地区大会に出れるかが決まるから。

「ほらー、こういう時こそ笑顔でしょ？行ってこーい！」

そう言って、玄関前で立ち止まっていた私を生徒玄関の中に押し込む。

「ちょ、ちょっと咲来っ！？」

「悩んでたって仕方ないでしょ？今日はできることをするだけ、いい？」

そう言って、咲来がいって玄関に入ってくる。

「ほら、うちの学校どちらかといえば、強豪でしょ、一年生なんだから失敗しなければ大丈夫だって」

そう言った咲来はどこか自分に言い聞かせているようだった。

「うん。」

私も返事をして学校の音楽室に二人で向かった。

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ついに来てしまった。

その感情が先に出た。

舞台裏、前の学校の演奏

ついに始まる、私の初めてのコンクールが。

「瑠璃ちゃん？緊張してる？」

渚先輩が私に聞く。

控えめにうなづくと、笑顔で先輩が答える。

「瑠璃ちゃんうまくなっていってるし、大丈夫だよ。いつも通りでがんばろ？」

「…はいっ」

私がそう答えるのを見ると満足そうに笑ってほかの三年生と話し始めた。

私の真っ暗だった目の前が少し明るく見えた気がした。

前の団体の演奏が終わり拍手が聞こえる。

スーッ

息を吸う。

もう、やるしかないんだ。

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「おつかれー！」

四人の声が重なる。

外は薄暗くなっていた。

コンクールが終わり、無事に結果が出た。

金賞、県１位…無事に地区大会に進めることになった。

「いやぁ、よかったぁ。」

桜がそういう。

「桜ー、おつかれー、桜が一年生の中では一番出番多いもんね。」

心がそう言って桜に抱き着く。

「あー、地区大会か～」

「まだ、先だけどね。」

咲来の言葉に私は付け加える。

「でも、頑張らなきゃ。ね。」

私がそういうと、みんなもだよねー。もっと頑張らなきゃ。

と、各自が反応する。

私は、その姿を見て笑顔になる。

神様、私に楽しい時間をありがとう。

雪ちゃんとさやのちゃんと遊ぶ日が近づいていた。