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いくら、消えたいって思っても他人には届かない。
だって、人の痛みを自分がわかることができないように、自分の痛みを人にわかってもらうのはできないことなんだ。
知ってる、知ってる、けど…助けてほしいって思うのは＿＿ダメなのかな…
ピピッ
目覚まし時計が鳴る。
朝６時、いつもの時間。
「ふぁぁ〜」
夏休みになっても部活があって、私は学校に行っている。
「瑠璃ーおきたー？」
お母さんの声が聞こえる。
「起きた〜」
そうやって返しながら、服を着替える。
朝日がまぶしくて、すぐ閉じるカーテン。でもカーテンが意味ないくらいに光が輝いている。
コンクールもあるし、忙しいのは無理ないことなんだって、自分に言い聞かせて、自転車を走らせて学校に行く。
一人っきりの駐輪場。
なんでか知らないけど、目から水があふれてくるのを止めようと風の勢いで止めようと、急いで走らせた自転車。
時刻は８時５分
早く着きすぎてしまって、仮面が外れた私の顔はどんなんだろうか。
ぶっさいくな私の顔。
死ぬほど見たくないけど、だから、鏡が嫌いで。
でも…
「やっほー！瑠璃っ！」
あっ、桜だ。
そう思う頃には、私は勝手に笑顔を作っている。
「…おはよう！今日ねー早く着きすぎちゃってさぁ。まだ玄関、開いてないじゃん、ね〜」
「だねぇ。咲来待ってよっか。」
「うん！・・」
多分、誰も思っていない。
私がつらいことなんて、それでいいんだ。
私が、我慢すれば、みんなが笑顔になれる世界。
みんな、みんな、夢を見すぎなんだよ。
誰かが犠牲になってこの世界はまわってんの。
そんなもんだよ、人生って、不細工で頭が中の上ぐらいの人生なんて。
私は、ゆっくり深呼吸をする。
だめ、だめ、笑顔で過ごさなきゃね。
変なこと考えちゃだめだ。
私は、私でいいんだって。
思って生きなきゃね。
ーーーーーーーーーーー
部活が終わり、私は楽器を片付けていた。
どうしても、女性が多い部活だ。
私もすぐ心を開けるほど純粋じゃなくて、まだ、怖いなって思いながら過ごしている。
「ねぇ、瑠璃ちゃん。」
「！…はい・・？」
突然話しかけられて、私はばれないように気を付けながら、体が震えているのがわかる。
大丈夫。
いい人だって、いじめてくるあんな奴らと違うってわかってる。
大丈夫、大丈夫。
自分の手を自分で温めるようにする。
かすかに震えている。
「あの＿＿＿」
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作者名：こんわた | 作成日時：2023年8月24日 18時
