不登校ちゃんと闇深優等生ちゃん「オリジナル」 (ページ12)

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「わ、私ね？じ、実は、大人とか女性とか、怖いんだ・・・」

静かに放たれた、私の震えた声。

「さ、桜は特別だし、そんなことないし！」

私は、焦って桜との関係性を言う。

「も、もしかして、私瑠璃に無理させてた…っ？」

桜の声も震えて帰ってきた。

「ち、ちがう！桜は大事な親友だし！大丈夫なのっ！」

私の取り繕うとしている声は、自分の耳すら裂くような不協和音に聞こえた。

黙り込んだ桜に対して私は昔のことを思い出しながら言う。

「…あのね、私、幼稚園の年長でいじめられたの。」

「・・・うん」

「そのいじめはね、つらいのじゃないの。ただ、ただ、嫌いな怖い話を笑いながらされたり、嫌がること言ってきただけなの。でもっでもっ…つらいっておもっちゃったの。」

私は一点を見つめながら言う。

「それで、先生たちに助け求められなかったし、大人は誰も気づいてくれなくて、信じることが怖くなちゃって…大人のことも女の子のことも。」

「顔を見るのもやっとで、話そうとすると怖くてっそれで、それで…」

「瑠璃っ、つらかったね、大丈夫だから。」

その桜の言葉で私は泣いていることに気づいた。

涙が不自然に熱く、私の肌を伝っていった。

「で、でもわた…しはっ＿＿＿っ」

私は涙を止めることができなかった。

「大丈夫、瑠璃の味方だよ、私は。」

その言葉と同時に桜は私のことを抱きしめた。

一瞬何が起こったかわからなかったけど、桜の温かい体温が私に触れているのを感じて抱き返す。

「よしよーし。泣かないで、ね？瑠璃は私のこと怖くないんでしょ？」

「う、んっ。」

そうやってかえって、私は泣いてしまったことで、新たに背負うことになった後悔もあったけど。

なんだか荷物が軽くなった気がした。

桜と別れ、一人になって、その時ひとりでに言葉が出た。

「…あーあ、目赤くなってんだろうなーどーしよ。」

睨みたくなる青空を見上げそうやって少し笑った。