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「瑠璃、帰ろう?」

「あ、桜。うん。」

私はそう返す、部活終わりっで少し薄暗い夕焼けが窓ガラスに反射している。

「しめるよー?」

部長がそういって私たちは急いで部室を出る。

桜は、小学校一年生からの仲で、今年で7年目、もう少しで幼馴染を名乗れるかな。なんて思っている。

二人で、並んで帰る。

私は、今日来てくれなかった雪ちゃんのことを思い出す。

雪ちゃんは、私が女性恐怖症なことや保健室が苦手なことを話しても何も態度を変えずに接してくれた。

私はそれがうれしかった。

今日、保健室に検査のためとはいえ入ることができたことを思い出す。

雪ちゃんは、私がそういうことを言うとすぐ、ほめてくれる。

「えらいね。頑張ったね。」

その言葉をなぜか聞きたくて、私は口を開く。

「あのね!私今日___」

そこまで言って気づく、そうだ。

雪ちゃんじゃない。

私は桜と話してるって、桜には怖くて私のことを伝えていない。

実は、私は、桜のことが好きだ。

両性愛者…

その言葉で、私のことはあらかた表現できる。

桜との関係性を壊したくなくて、言わなかった真実。

桜のことを信じてるから。

私は桜のことが大好きだから。

だからこそ、私の大人が嫌いだって女性が怖いって、両性愛者だって、桜のことが好きだって

言い出せていない。

「瑠璃、なに?」

笑顔のまま、桜が続けるその言葉。

「い、いやぁ、何でもない!」

私はそう言って、会話を終わらせようとした。

その時、桜は疑いながら私を見る。

「なーに?気になるんだけど。それとも私のこと信用できない?」

「いやっ、そんなことない!桜のこと誰よりも信用してる!」

「じゃぁさーいってよ〜なんでも聞くからさ〜」

無邪気な鈴を転がすような声。

踊る言葉。

私は、決心をした。

「桜、私が何を言っても嫌いにならない?」

「あったりまえじゃん!瑠璃のこと、私一番好きなんだよ?」

そう言われて安心する。

でも、好きの違いに感づいて少し寂しくなる。

私はもう一回聞く。

「ほ、ほんとに?ほんとにほんとに?」

「もっちろん!ほんとにほんとだってば!」

私は、ゆっくり話し始めた。

「あ、あのね?お、重い話になっちゃうけど…」

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作者名:こんわた | 作成日時:2023年8月24日 18時

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