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それから、自分と彼のことをぽつりぽつりとメンバーに話した。
途切れ途切れで何が言いたいのかもわからないほどだったけれど、ようやく話し終えたときは12時を回っていた。
彼のことのみならず
E-girlsにいながら感じていたことや
なぜあんなタイミングでE-girlsをやめると言ったのかとか
色んなことを吐露した。
初めて話すことばかりで、
皆も優しく相槌をうちながら聞いてくれたけれど
でも内心驚いているのだということは手を取るように感じられた。
私が話し終えてから、伶菜さんが紅茶をいれ、そっと目の前のカップにそそいだ。
あたたかい温度とふわりと甘い香りが尖った心をいくらか包んで、溶かした。
「…Aは何でそんなにいつも、怖がるの？」
ふう、と思わず息をついた私にそう投げかけたのは、希だった。
「怖がってる…？」
「怖がってるよ。いつも、樹くんのことになると」
「…」
沈黙すると、部屋の中には時計の針の音だけが響く。
時折、外の北風がひゅ、と吹いていく音が窓を叩き、心細い気持ちをさらに増長させた。
「…怖いよ。いつも…」
「何が…？」
「前の自分に…戻るのが怖い」
口をつぐむと、隣に座っている希は「…それで？」とつづきを促した。顔を上げて、私の大切な6人のメンバーの顔を見る。
皆、なぜか分からないくらいに
優しい顔をしていた。
「前の自分は…感情とかなかったし、機械的に時間を消費して…生きがいとか目的とかそんなのもないまま、人形みたいに生きてた。」
ファンのためにって口では言って
でも生きがいとか頑張る意味とか、そんなの知らなかったし、
人生に求めようともしなかった。
「作り笑いだけどんどん得意になった。」
無理して口角をあげることが得意で
どんな状況でも、人が見ているとなったら表情が変わるようになってた。
「だって作り笑いして嘘重ねても、それでも周りの大人はみんな褒めてくれたから。」
Aは本当に才能しかないよ、なんて言葉
もらっても嬉しくなかった。
けどファンのためだよってファンには言って
もっともらしい嘘を作り笑顔で吐いていけば
大人は認めてくれた。
「だけど樹くんだけが…作り笑顔なんて変だよって言った…」
“『今も…無理して作り笑い…してるように見える』”
“『…見ててつらそう。ずっと無理して笑顔でいるの』”
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蘭の花(プロフ) - あーぴさん» ありがとうございます！わたしもそう思いながら書いているのですが…頑張ります涙(TT) (2020年7月4日 19時) (
レス) id: edbf778f76 (このIDを非表示/違反報告)
蘭の花(プロフ) - もあさん» このあとの二人がどうなっていくのか、ぜひお楽しみに。(^^) (2020年7月4日 19時) (レス) id: edbf778f76 (このIDを非表示/違反報告)
蘭の花(プロフ) - Ailisさん» 別れるのか一緒にいるのか、どんな選択をするのか見守っていて下さい(^^) (2020年7月4日 19時) (レス) id: edbf778f76 (このIDを非表示/違反報告)
蘭の花(プロフ) - はなさん» いったい二人はどうなってしまうのでしょうか。お楽しみに(^^) (2020年7月4日 19時) (レス) id: edbf778f76 (このIDを非表示/違反報告)
蘭の花(プロフ) - ゆずさん» 本当に究極の選択ですよね。好き同士だけどそれだけじゃだめという現実が辛いです(TT) (2020年7月4日 19時) (レス) id: edbf778f76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭の花
| 作成日時：2019年11月16日 21時
