愛され姫VSミーハー転校生【青葉城西高校】

25話 初めから姫を信じてる ページ26

［及川視点］


100パーセントの確率で栗町が犯人だと思っていたけど念の為にAちゃんにも荒らされた部室を見せた


ロッカーは歪み中にかけてあった制服はグチャグチャで誰がどれか分からない


ハンガーもポッキリ折られているし部誌を書くための卓もベンチもひっくり返っている


しかも大事なデータファイルまで少し破られていた


これは流石にキレそうになったかな


でも我慢して普段通りに説明をする


あくまで両方疑っている感じで…


するとAちゃんは突然、部室に駆け込んで机の下敷きになっていたマシュマロ型の可愛くてフワフワそうなクッションを抱きしめた


アレは確か2年かけてやっと手に入れたって国見ちゃんに自慢してたやつだね


あれも被害に遭ったらしく中から綿が出て悲惨な状態だった


俺たちが見守るなか何とAちゃんはクッションを抱きしめたまま泣き出しちゃった


慌てて駆け寄ると潤んだ瞳のまま上目遣いで見上げられ挙句の果てに抱きつかれた


何これ幸せ！！


及川さんは今幸せの絶頂に立ってるよ


岩「顔緩んでんぞ、及川(ボカッ」


及「痛い！！」


岩ちゃんに頭を叩かれて話を戻す雰囲気になる


栗「そんなクッションの事で泣いてないで皆に謝りなよ！！部室を荒らすなんて酷いよ」


何故か涙目で訴える栗町


残念だけど完全に君が犯人だよ、栗町


どうやって机とかベンチをひっくり返したりロッカー凹ませたのかは知らないけど


こんなに綺麗な涙を流して泣いてるのにAちゃんが犯人なわけがない


それに昨日の夜に岩ちゃん達と隠しカメラ仕掛けといたから証拠もあるんだよね


まだ言わないけど


もっと集めてから一気に見せる


栗町の目的も分からないし


まぁ及川さん目当てだろうけどね☆


花「なんか今、及川にイラっときた」


松「禿同」


岩「よく分からねぇけど殴らせろ」


及「嫌だよ！？」


俺たちがいつも通りの雰囲気に戻りつつあったとき抱きついてきていた姫ちゃんが離れた


栗「及川先輩に嘘泣きでアピールなんてダメだよ！！」


貴「そんなの死んでもしないよ。嘘泣きでアピールなら国見君にする」


及川さんの扱い酷い！！


貴「それに嘘泣きじゃないから。私がどれだけ頑張ってマシュマロクッション集めたのかも知らないくせに。どんな想いが籠ってるのか知らないくせに良くも…」


栗「な、何を言ってるの？自分で破いたんでしょう」

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