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『稜雅…、あのね…』
「うん」
真っ直ぐな瞳で優しく見つめてくる
もう迷いなんて無い
『稜雅とは今までずっと一緒にいて一人っ子だった私にとって最初は可愛い弟みたいな存在だったの』
『でも近くで稜雅が大人になっていくのを見て、芸能界にも入って遠く感じて寂しくて…』
あぁ、もうやだ…声が震える
『ここ数年で稜雅がビックリするほど大人になってて格好良くなってて……』
『でも私と稜雅は従兄弟だから…ダメなんだって好きになっちゃいけないんだって…』
『そして気持ちから逃げるように彼氏をつくったの』
今まで隠してきた稜雅への気持ちを伝えようとすればするほど泣きそうになる
Aは下を向いて汗ばんでる自分の手を握る
『他の人を見れば少しは稜雅への気持ちなんて消えるかなって思ったのに
全然消えないし、むしろ大きくなる一方で…』
「分かった…もういいから…」
『へ?』
稜雅の方を見ると顔に両手を当てて隠してる
えっと……
まだいっぱい言いたいことあるのに…
『待って、まだちゃんと言えてな…』
グイッ
「もうこれ以上俺を照れさせないで」
稜雅はAの言葉を遮るように抱きしめた
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作者名:オレンジ | 作成日時:2016年2月3日 10時