病弱少女は八乙女楽の想い人で、逢坂壮五の妹です！！２ (ページ30)

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お祭りと、託した願いページ30

楽side
浴衣で祭りの中をぶらついていた。
Aのやつ、こういうの好きそうだな、これやったら喜ぶか、などあいつのことで頭が埋め尽くされてしまう。天はエスコートしてくれる予定だし、龍は弟達と一緒に屋台のおっさんや地元の人に、triggerが来たからって騒がないよう、根まわしをしてくれているらしい。あいつも、楽しみにしてたのにな。家族との祭り。
なんて考えていたら、
『楽！ごめん、待った？』
着物を着たAが見えた。
「いや、今来たところ。それ、すげぇ似合ってる。キレイだし、可愛いよ。誰にも見せたくないぐらい」
ついさっきまで考えたプランを全部捨てて、手を引いたままホテルにUターンしようかと本気で思った。
『ありがと。楽も、似合ってる！お祭りって、すこいねぇ。』
まぶしそうに、嬉しそうにあたりを見回すA。さっきまでのバカな考えは消し飛んで、全力で楽しませてやろうと思った。
「だろ？俺も驚いた。龍がよく夢中になって話す理由が分かったよ。ほら、行こうぜ！珍しい屋台見つけてきたんだ」
手を引いて、頭をなでる。何も考えず、何かに引っ張られるように、ほおにキスを、一つ落とした。こいつが幸せになれるよう、たくさん笑えるように願いを込めて。ワガママ言うと、俺の隣で。

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