告白 ページ22
『本当は、怖かったし、嫌だった！！でも、私が、ちゃんとしないと、ダメだって、ガマンして、頑張ったのに！父さんは、私を、Aを見てくれなかった！なんで？！なんで、あの人は私から、大事なものを、みんな奪っちゃうの？やっぱり、私が、いらな「もういい！！」
それより先は、聞きたくなかった。言わせたくなかった。
「お前はよく頑張ってるし、気遣いもできてる。料理も上手い。ほら、ほめるところだらけだ。そんなこと言わないでくれ。
A。何度だって言ってやるよ。
世界中から見放されても、ミサイル向けられても、俺はお前をちゃんと見て、ほめてやる。たとえ、お前も俺もいなくなっても。
いなくなるなよ・・・お前がいないと、俺、どうにかなっちまいそうだ」
『なんで。なんで、私なんかのためにそこまで言えるの？！』
思わず、ため息をつきそうになる。気づかれてなかったのか、それともこいつが無意識に否定されたくて、そう言わせているのか。
どっちでもいい。聞こえるまで、声が枯れたって何度でも言おう。
もう一度、深く抱きしめて。耳元で、しっかりと言った。撮影でよく言っていたはずなのに、緊張する。
「お前を、愛してるから。たとえ、世界が終わっても」
声、震えてねぇよな？
耳元ではっきりと聞こえた、告白。暖かくて、優しくて。ドラマの練習？なんて、からかってごまかすのが失礼だとはっきり分かるほど、真剣な声。返事を返さなきゃいけない。そして、私もこれ以上、楽に嘘をつきたくない。
自分の言葉で伝えなきゃいけないんだよね。
『楽。ごめん、私も好きだけど、でも、やっぱり、楽への好きと、他の人への好きが、えと、違うかどうかわからない』
これ、フっちゃったの？
怒ってるかな。がっかりしたかな。おそるおそる楽を見上げると、頭を撫でられた。
「そっか。じゃあ、俺がお前の初恋なんだな。分からなくて当然だ。なぁ、Aはこの後のパーティーにも参加するんだろ？」
『う、うん』
十さんのパーティーは、全部で３日間ある。残りの日で大きな取引の根回しを私も行うつもりだ。
「俺たちもだ。最後の日、夏祭り開催するって知ってたか？その日、会おうぜ。それまでに返事は考えといてくれよ」
『怒ってないの？』
「なんで。俺が初めてなんだろ。分かんなくて当然だ。他の人と俺への気持ちが違うかなんて。俺は芝居してるから、なんとなく分かるけど。本当のこと言う。
芝居じゃなく、八乙女楽として惚れたのは
俺も、お前が初めて」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 92人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アスト | 作者ホームページ：http://id11.fm-p.jp/545/05251357/
作成日時：2016年9月27日 18時
