病弱少女は八乙女楽の想い人で、逢坂壮五の妹です！！２ (ページ17)

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ハジメマシテと龍の話ページ17

歌い終わって、一息つく。いつも通り、あの日のライブのように歓声があがった。
【では、みなさん。引き続き、パーティーをお楽しみください】
龍の親父がマイクで話す。
Aは、俺たちから一番遠いところで、電話をしていた。耳をすますと、ギリギリ聞こえた。
『もしもし。私だ。どういうことだ？あの話がボツだと？詳しく説明をしろ。』
「楽。いいかしら？」
詳しく聞きたくなって、寄ろうとした瞬間、マネージャーに肩を掴まれる。
「なんだよ」
「奥に来なさい」
移動して、空き部屋に連れ込まれる。天と龍も着いてきた。
「言ったでしょ。やめときなさいって」
「知ってたのか？マネージャーも、龍も！天も！！」
「僕は、知らなかった。あの子が親と仲悪いことと、身体が弱いのを押して、父親の会社経営を手伝ってることだけ」
「ごめん、すまない、天、楽・・・」
「龍はホテル王の息子だものね。「別に、怒ってねぇよ。悪りぃ。でも、商売相手にしては、仲よさげだったな？」
「彼女、実はうちに何泊かしてたんだ。その時の面倒を、俺と弟たちで。パーティーが終わったらゆっくり話すよ。長い、話になるから」
「分かった。とりあえず行こう。あの子にも挨拶したいし」
嫌な予感がするけど、あいつに会いたい気持ちが勝った。
「お久しぶりです、Aお嬢様。こちら、うち所属のtriggerです。」
『ああ。久しぶりだな、姉鷺さん。そちらは確か、八乙女楽さんに、九条天。十龍之介さんだったか。私はFSC準副会長をしている、逢坂 Aだ。
初めまして
すまない。あまり音楽を聴かないから疎いのだが。先ほどの歌、素晴らしかった。』
口調も違えば、性格も違う。
男勝りで音楽を全く知らず、俺たちとも初対面。
俺の知らないAだった。
なぜか嫌な気持ちになる。
「・・・・・・ハジメマシテ。ありがとうな」
それだけ言って、龍と天を呼んで、部屋に帰る。
そのまま部屋に入って、荒々しくドアを叩きつけた。

天side
あの子と少し話しただけですごく顔をしかめた楽は、何に怒っているのか、ドアを思い切り叩きつけた。やれやれ。
「落ち着きなよ、楽」
「うるさい！！」
「楽。怒らないであげてくれ。」
「・・・違う。俺は、あいつに怒ってるんじゃない。ただ、ただ、なんで・・・・」
相当混乱してる。思考が全部口に出てるし。
僕だって、ショックなのに。
最初に会った時みたいに、こいつを羨ましく思ってしまったとき、龍が口を開いた。