イナズマイレブンGO 病喰い お口直しはいかがですか？ 二皿目

×伍拾玖× ページ9

朱月:…藍翠堂…とな？
碧:はい！翠さんのお店です！

もぐもぐと団子を食べつつ、朱月は首を傾げる。
こういう仕草をすると、何処と無く外見よりも幼く見える。

碧:翠さんはいつでもいいそうです！
朱月:ならば、今からじゃ。
碧:い、いくら何でも早すぎじゃ…
朱月:善は急げじゃ。

代金を多めに払って店を出る。

天斗:朱月さま？どちらに？
朱月:藍翠堂じゃ。翠とやらに頼まれての。
天斗:あ、もしかしたら、道、解ります？
朱月:さぁの。歩いておれば着くじゃろ。
天斗:俺、そっちに向かうんで、案内しましょうか？
朱月:そうして貰えるとありがたいの。

礼を言っているのやら、当たり前だと思っているのやら。

天斗:じゃあ、こっちです！

天斗が先導して、朱月はゆらゆらと着いていく。
しばらく歩くと、屋根の上に看板を携えた店の前に辿り着いた。看板には「藍翠堂」の文字が。

朱月:ご苦労じゃったの。天斗よ。駄賃じゃ。
天斗:そ、そんな！それに、困った時はお互い様ですし、俺は以前の団子のお礼をしただけです！
朱月:…そうか。

小銭を収めて、朱月は店の中に入る。

朱月:翠は居るかの？朱月が参ったと伝えてほしいのじゃ。

店番の者は奥へ慌てて引っ込み、天斗は驚いて声も出せず、朱月は何事もなかったように佇(ﾀﾀｽﾞ)んでいた。

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