イナズマイレブンGO 病喰い お口直しはいかがですか？ 二皿目

×伍拾捌× ページ8

？:朱月！
朱月:なんじゃ、騒々しいのう。
沖田:あ、す、すまない。
朱月:怒っておる訳ではない。
沖田:そ、そうか…

掴み所の無い答えに、沖田はしばし戸惑う。
お互い何も言わず、ただ並んで歩き出す。

町人一:おい、見ろよ。朱月さまと新撰組が共に歩いてやがる。
町人二:うわ。いくら朱月さまが別嬪だからって…

朱月は気にも留めていない。
要は面倒なのだ。噂に耳を貸すのも、他者の目を気にすることも。

沖田:あいつら…
朱月:何故ゆえ、おんしが怒っておるのじゃ？
沖田:？！
朱月:わっちは気にも留めておらぬ。わっちはわっちじゃ。
沖田:…なんとも、思わないのか。
朱月:わっちは流浪の者じゃ。いちいち気にしていられまい？

なるほど。と沖田は頷く。
肩にかかる金色の髪を払い、朱月は立ち止まる。
つられて沖田も立ち止まる。

沖田:？朱月？
朱月:沖田、一つ訪ねてもよいかの？
沖田:俺に答えられるものだったら。
朱月:わっちの…
沖田:朱月の？

言葉が続かず、朱月は目を泳がせる。

朱月:わ、わっちの…着物なのじゃが……その……は、派手かの？
沖田:着物？

赤い生地に黒い桔梗。
金と黒の帯を締めた朱月。

沖田:…俺は女の着物はよくわからんが、似合っているぞ？
朱月:そ、そうかの。

頬を赤らめ、朱月は恥じらったように目を伏せた。

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