×玖拾漆× 沖田目線 ページ47
沖田:朱月、お前、剣の心得でもあるのか?
朱月:たわけ。有るわけ無かろ。
当然のように朱月が言った。確かに、見渡しても刀らしきものはない。
沖田:では何故?
朱月:解らんのか?わっちは流浪人じゃ。女一人で旅をしてみよ。すぐに人拐いに遭うわ。
言われてみればの話だ。
朱月は黙っていても人目を惹く容姿であり、それでもってこの話し方である。
それでも俺は疑問を続ける。
沖田:それで…何処に刀が?
朱月:それは言えぬの。
沖田:えっ…
朱月:わっちとて、身を守る為の武器くらいある。じゃがの、それを易々と見せるほど戯けではないわ。
からからと笑う朱月に、小さく俺の胸が傷んだ。
朱月は、他者から守られずとも生き抜いてきた人間だ。今後も誰からも守られずとも生きていけるのだと。
朱月:沖田は独りかの?
沖田:は?
朱月:誰かと同棲してはおらぬかの?同棲しておるならば、預かってると知らせる必要があるのではないかの?
沖田:俺は…
迷った。
俺は泣く子も黙る新撰組の斬り込み隊長で、町民からも忌み嫌われている。
朱月がもし、屯所に入れば、間違いなく朱月の身が危ぶまれ、町民たちが押し掛けるはずだ。それについては何としてでも避けたい。
朱月:沖田?
沖田:いや、俺は独り身だ。気にしなくていい。
朱月:そうか?じゃが、前に共におった同じ羽織りの者は…
沖田:職場の同僚だ。
朱月:そうか。
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ちびねこ - 蓮さん» ありがとうございます!なかなか沖田さんとキャッキャウフフが出せなくてすいません!更新頑張りますね! (2014年8月25日 1時) (レス) id: a0f37bd9af (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - 面白かったです、更新するのを楽しみにしていますね! (2014年8月23日 21時) (レス) id: 0314cd72e9 (このIDを非表示/違反報告)
ちびねこ - 霧風 晴介さん» ありがとうございます(´ω`*人)そこまでストレートに言われると照れちゃいます(≧艸≦)キャッ (2014年8月14日 1時) (レス) id: a0f37bd9af (このIDを非表示/違反報告)
霧風 晴介(プロフ) - 更新頑張ってください!私はこの作品好きです(=゚ω゚)ノ (2014年7月17日 20時) (レス) id: ce6b1caa6d (このIDを非表示/違反報告)
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