×捌拾× ページ30
京矢:兄さん、ただいま。
優:お帰り京矢。あれ、お客さん?
朱月:朱月という者じゃ。
優:京矢の兄の優と言う者です。
同じ色の髪に、口許のほくろ。京矢の兄の優が布団から体を起こして言った。
朱月:失礼かもしれぬが…おんし、本当に盲目かの?
優:…いきなり失礼じゃないですか?
京矢:に、兄さん!
不躾な質問に優は声音を低くした。
優:確かに俺は盲目です。その上に脚も動かない。同情しますか?
朱月:いや。全く同情する気は無いの。
優は不機嫌そうに何か小さく呟いていたが、朱月には聞こえなかった。
朱月:紹介が遅れたの。わっちは医者じゃ。おんしの盲目と動かぬ脚、治しに参った。
優:冗談ですか?どんなに腕の良い医者ですら俺に望みは無いと言ったんです。なのに今更…
朱月:わっちを其処(ソコ)らの無能な輩と同等にするでない。わっちは日本中を回っておるのじゃ。治せぬ病など無いのじゃ。
京矢:兄さん、拓之進さま、大病を患ってただろ。あれ治したの、この人なんだ。
優:この人が?
明らかに声音が変わった。
半信半疑の声音のまま、会話を続けた。
朱月:信じぬのならこの話は無しじゃ。どうするかの?
京矢:兄さん…
優:確認ですけど、本当に見えるようになるんですね?歩けるようになるんですね?
朱月:当たり前じゃ。じゃがの、おんしが本当にこの世を見たいと、何処まで行きたいと思わぬことには意味が無いぞ。
優:信じて、良いんですね…?
朱月:もし治療が失敗でもすれば、金は取らぬ。
朱月は、誓約書を見せて、二人に渡した。
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ちびねこ - 蓮さん» ありがとうございます!なかなか沖田さんとキャッキャウフフが出せなくてすいません!更新頑張りますね! (2014年8月25日 1時) (レス) id: a0f37bd9af (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - 面白かったです、更新するのを楽しみにしていますね! (2014年8月23日 21時) (レス) id: 0314cd72e9 (このIDを非表示/違反報告)
ちびねこ - 霧風 晴介さん» ありがとうございます(´ω`*人)そこまでストレートに言われると照れちゃいます(≧艸≦)キャッ (2014年8月14日 1時) (レス) id: a0f37bd9af (このIDを非表示/違反報告)
霧風 晴介(プロフ) - 更新頑張ってください!私はこの作品好きです(=゚ω゚)ノ (2014年7月17日 20時) (レス) id: ce6b1caa6d (このIDを非表示/違反報告)
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