イナズマイレブンGO 病喰い お口直しはいかがですか？ 二皿目

×伍拾参×　沖田目線 ページ3

沖田:その…朱月は散歩か何かか？
朱月:神童の屋敷に呼ばれたのじゃ。面倒じゃがの。
沖田:神童家に？
朱月:拓之進はわっちの患者じゃ。その事であろうの。

身分が高い相手を、何も躊躇わず呼び捨てる。
度胸があると言うべきか、世間知らずと言うべきか。

朱月:おんしは、例の町回りかの？
沖田:あ、あぁ。そうだ。
朱月:ほぅ…

それ以上、訪ねてはこなかった。興味をなくしたようだ。
俺としては、この後、朱月に用事が無ければ、共に町を回りたいと思った。
まだ知らない場所や、俺のお気に入りの場所に連れていきたいと思う。

朱月:遠いの。
沖田:そうだな。
朱月:はぁ。せっかくの休みが潰れてしもぅた。
沖田:いつも休みのように見えるが…？
朱月:そうかの？まぁ、医者が暇だと言うことは、町人が元気か信頼されてないかのどちらかじゃ。

まぁ、一理あるな。
けらけら笑う朱月は、俺よりも幼く映る。

沖田:なぁ朱月。
朱月:なんじゃ？
沖田:お前、医者だと言っているが、本当なのか？
朱月:なんじゃ。疑うのかの？
沖田:いや、なんと申すか…

似合わない。
喉元まで上がってきた言葉を飲み込む。
咄嗟(ﾄｯｻ)に出たのはその場しのぎの言葉だった。情けない。

朱月:意外だと思われる事は気にせぬ。わっちはわっちのやりたい事をやっておるのじゃ。誰になんと言われようともの。
沖田:朱月…

美しく、聡明だった。

朱月:なんじゃ。着いたのかの。
沖田:あ、あぁ。

朱月は屋敷の中に。俺は町回りのため、門の前で別れることになった。

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