イナズマイレブンGO 病喰い お口直しはいかがですか？ 二皿目

×陸拾玖× ページ19

ーー翌朝ーー
朱月:…早いの。
京矢:ふん。拓之進さまに妙なことしたらぶった斬るからな。
朱月:言うたであろ。おんしにわっちは殺せぬと。
京矢:…よほどの手練れか、力量の分かってないだけかだな。
朱月:たわけ。

朱月は拓之進の屋敷に向かう。
後ろからの殺気に苦笑しつつも足は止めなかった。

ーー神童家ーー
拓之進:京矢を…ですか？
朱月:そうじゃ。わっちは最近、何かと目を付けられ絡まれるのでの。
拓之進:それで、京矢を？
朱月:そう言う訳じゃ。幼いが腕っぷしは確かであろ。
京矢:俺は十三だ。餓鬼じゃない。

壁に凭(ﾓﾀ)れていた京矢が口を挟む。

朱月:それでは、しばらく借りるぞ。
拓之進:はい。京矢、朱月殿に粗相の無いように。
京矢:ちっ…分かりましたよ。

主に言われ、不機嫌ながらも了承した京矢。
拓之進に礼を言って、朱月は京矢と屋敷を出た。

京矢:俺はあんたに遣える気は無い。拓之進さまの命令だからだ。
朱月:であろうの。わっちもおんしをこき使う気は無い。あくまで用心棒じゃ。
京矢:話が早い。
朱月:そうかの。

朱月は京矢を引き連れ、町を歩く。
京矢の腰には木刀が携えられている。

翠:姐さん！それと京矢！
朱月:翠…その呼び方は止めよと言っているであろ。

朱月は困ったように翠に言った。

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