もしも、殺せんせーがいなったら。【暗殺教室】【裏切り】 (ページ1)

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愚か者。ページ1

昨日の月も綺麗だったなあ。満月で。

　スマートフォンのライブラリーに入ってる何枚もの月の画像を眺めながら私は思う。

「月は綺麗なんだ……って」

「ちょ、月野さん、それ自分の事？」

「あ゛」

　カルマ君に笑われた。私とカルマ君は席が隣同士でよく喋る。
　カルマ君はこの前停学が明けたばっかり。初めは怖かったけどまあ、それなりに良い人、だと思う。
　それにしても、声に出てたか。この癖直さないと。

「うわー、月の写真ばっか」

「あはは……なんか、好きなんだよね」

「へー」

　カルマ君は私のスマホをひょいっとのぞき込んでそういう。と、その時、ヴー、ヴー、と電話がかかってきた。相手は、

　マネージャーの花さん、からだった。

「あ、ごめん、でるね」

「あ、いいよ」

「もしもし、私です」

　スマホの向こうから、花さんの心地の良い声が聞こえてくる。新しい仕事をもらったみたいで、今日、学校の帰りに、スタジオによってほしい。とのことだった。

　私、月野Aはモデルをしている。ファッション誌の表紙から、民間企業の小さなポスターまで。結構幅広くやっている。